コラム

異業種への転職は難しい?成功させるためのポイントやステップ、注意点について解説

キャリアの見直しやライフスタイルの変化をきっかけに、異業種への転職を考える方が増えています。しかし、未経験の業種に挑戦する際には、多くの不安が伴うことも少なくありません。本記事では、最近の異業種転職の動向に触れながら、転職を成功させるためのポイントや具体的なステップ、注意すべき点について詳細に解説します。キャリアの方向性に迷っている方や新しい挑戦を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

異業種への転職は可能か?

株式会社リクルートキャリアが2020年1月に発表した「転職決定者分析」では、多くの人が異業種への転職を選んでいることが明らかになりました。具体的には、転職者の約7割が異業種への転職を成功させているとの結果が示されています。これにより、異業種転職は珍しいことではなく、多くの人が新しい分野でのキャリアを求めて転職していることがわかります。

異業種への転職をしやすい業界


異業種転職は一見ハードルが高そうですが、実は特定の分野では意外とスムーズに進めることが可能です。特に異業種からの転職がしやすいとされる業界について紹介します。

IT・テクノロジー業界

異業種からの転職がしやすい業界のひとつです。その理由は、業界が急速に成長しているため、人材不足が問題となっているからです。IT業界では、プログラミングやデータ分析などのスキルが重宝されますが、これらはオンラインで学べるスキルでもあります。また、異業種での経験がITプロジェクトに新たな視点をもたらすことが期待されるため、異業種からの転職者を歓迎する企業が多いことが特徴です。

医療・福祉業界

医療・福祉業界もまた、異業種転職を希望する方にとって魅力的な選択肢です。この業界では専門知識が必要とされることが多いですが、事務職やカウンセリングなど、比較的柔軟に転職できるポジションも存在します。特に、高齢化社会に伴い需要が増している介護や福祉サービスでは、異業種からの転職者が多数活躍中です。

教育・研修業界

教育・研修業界も異業種からの転職がしやすい分野です。自分の専門知識や経験を活かした講師やトレーナーとしてのキャリアを目指すことができるでしょう。ビジネススキルやリーダーシップなどを教える場面では、異業種で培った知識や経験を役立てるはず。人間関係の構築力も重視されるため、コミュニケーションスキルをもつ異業種転職者は歓迎されることが多いです。

マーケティング・広告業界

マーケティング・広告業界は、多様なバックグラウンドをもつ人材を求める傾向があります。異業種での経験が新しい視点を提供し、創造的なアイディアを生み出すことが期待されるからです。また、成果が目に見える形で表れることも特徴で、自分のスキルを試したいと考えている方にとって魅力的な業界であるといえるでしょう。

人材業界

人材業界も異業種転職者が多く活躍する業界のひとつ。特に、人事や採用の経験をもつ方は、人材紹介やキャリアコンサルティングなどの仕事にスムーズに移行できるケースが多いです。また、人材業界では、優れたコミュニケーション能力や人間関係の構築能力が重視されるため、異業種の経験が有利に働くことが多いといえるでしょう。

接客・サービス業界

接客スキルやカスタマーサービスの経験が重視されるため、他の業界からの転職もしやすい環境が整っています。特にホテルやレストランなどでは、異業種からの転職者が歓迎されることが多いです。新しいお客様との接触や異文化に対する好奇心がある方なら、魅力的な業界といえます。

不動産業界

不動産業界も異業種からの転職者にオープンな業界です。特に営業やカスタマーサービスの経験がある人にとって、転職は比較的スムーズにできる可能性があります。不動産の知識は転職後に学ぶことができるため、他の業界で培ったスキルを活かして新しいキャリアを築くことができるでしょう。

異業種への転職に必要な準備


異業種転職を成功させるためには、事前に十分な準備を行うことが必要です。具体的にどんな準備が必要なのか見ていきましょう。

キャリアの見直し

まずは現在のキャリアを見直すことからはじめましょう。これまでの職務経験や役割、達成してきた成果をリストアップしてください。その上で、自身のもっているスキルや強みを再確認しましょう。

スキルの棚卸し

次に行うべきはスキルの棚卸しです。異業種転職では、新しい業界や職種においても役立つスキルを見つけることが求められます。例えば、コミュニケーション能力、プロジェクト管理の経験、リーダーシップなど、汎用性の高いスキルがあるか、自己評価を行いましょう。

新しいスキルの習得

異業種転職を成功させるためには、目指す業界に必要なスキルの習得も不可欠です。オンラインコースや資格取得を通じて、業界に特化したスキルを学びましょう。専門書を読む、セミナーやワークショップに参加するなどの方法も有効です。時間と費用を投資することで、将来のキャリアに確実に役立つスキルを身につけてください。

人脈の構築

新しい業界で成功するには、人脈を構築しておくことも欠かせません。同じ業界で働く人々と関係を築くことで、仕事に関する情報やチャンスを得ることができるでしょう。LinkedInなどのビジネスSNSを活用したり、業界関連のイベントや交流会に参加したりすることで、ネットワークを広げてみてください。

目指す業界のリサーチ

インターネットで業界の現状や将来の展望を調べたり、業界誌を読むことで最新のトレンドを把握してください。また、業界のイベントやセミナーに参加し、業界の雰囲気を直接感じることも重要です。可能であれば、目指す業界で働いている知人や友人から情報を収集することも有効的でしょう。

転職エージェントサービスへの登録

異業種転職の成功確率を高めるには、専門的なサポートを受けることも効果的です。転職エージェントサービスに登録することで、自分に合った求人情報を提供してもらえたり、面接対策や書類添削のサポートを受けることができます。自分に合った転職エージェントを見つけ、依頼しましょう。

面接対策

異業種転職では、転職理由やスキルの活用方法について具体例を交えて説明することが求められます。そのため、事前に質問されそうな項目をリストアップし、回答を準備しておきましょう。また、模擬面接を実施し、実際の面接に備えておくのも効果的です。面接の場では、自信をもって自分の強みを伝えることが成功の鍵となります。

異業種への転職を成功させるポイント


異業種転職を成功させるには、どんなポイントがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

情熱をもって語る

面接やエントリーシートにおいて、なぜその業種に興味があるのかを情熱をもって語ることが重要です。スキルや経験が十分にマッチしていたとしても、動機が曖昧であると面接官に良い印象を与えられないでしょう。具体的なエピソードや経験を交えながら、自分がその業種に対してどれだけ興味や情熱を抱いているかを明確に伝えることが大切です。熱意をもって説明することで、あなたの真剣さをにし面接官にしっかりと伝えられるはずです。

成果を軸にいかに貢献できるかを伝える

異業種転職を成功させるためには、過去の仕事で達成した成果を具体的に示し、それを新しい職場でどのように活かすつもりかを明確に伝えることが重要です。単に業務をこなしただけでなく、実際にどのような結果を生み出し、その過程でどのような困難を克服したのかを詳細に説明しましょう。さらに、その経験が新しい職場でどのような価値を提供できるかを具体的に示すことが求められます。

成長意欲を示す

異業種転職において成長意欲があることを示すのも欠かせません。新しい環境で迅速に学び、適応する意欲をもっていることを伝えることが大切です。具体的な学習プランや、自己成長のために過去に行ってきた取り組みを共有することで、自身の成長意欲を強調しましょう。きちんと意欲を示すことで、新しい環境で成功する可能性が高い印象をあたえることができます。

異業種転職を目指す際の注意点


異業種への転職を目指す場合、いくつか注意点があります。具体的に見ていきましょう。

給料だけを求めすぎない

転職を考える際、まず給料に目が行くことが多いでしょう。しかし、給料だけを重視すると後悔する場合もあります。給料が高い企業でも、その分だけ業務が過酷であったり、ワークライフバランスが悪かったりすることがあるからです。仕事内容、職場環境、人間関係を総合的に判断することで、より良い転職先を見つけることができるでしょう。

転職の時期を見極める

転職を考えるタイミングも重要です。市場の動向や自分自身のライフステージも含めて慎重に考慮する必要があります。自分のスキルや経験が最も評価されやすいタイミングを見極めることで、転職活動をより有利に進めることができるでしょう。

家族からの理解を得る

家庭をもっている方は、転職は個人の問題ではなく、家族にも影響します。そのため、転職を考える際には、必ず家族と相談しましょう。特に、小さい子供がいる場合や、親の介護が必要な場合は、家族の理解と協力が不可欠です。お互いの気持ちや状況を理解し合うことで、転職先でも安心して働ける環境をつくることができます。

企業文化との適合性を確認する

給料や福利厚生が良くても、企業文化が合わないと長続きはしません。転職先の企業文化を理解し、自分の価値観や働き方と合っているかを確認することはとても重要です。ホームページに掲載されている社員インタビューやインターネット上で口コミなどを確認してみましょう。企業文化との適合性も重視することで、結果的により働きやすい環境を選ぶことができるはずです。

異業種転職エピソード:大手メーカーからIT業界へ


筆者の知人であるAさん(40代)は元々大手メーカーで10年間営業として勤務していました。しかし、会社の成長性やキャリアの限界を感じ、成長性やキャリアアップを期待できるIT業界へ転職を決意。見事、SEへの転職を実現しました。
 
面接では、メーカーで培ったプロジェクト管理能力や問題解決力がIT業界でも役立つことを強調し、新しい技術に対する学習意欲もアピールしたそうです。「未経験スタートなので覚えることは多いけど、毎日が新鮮だよ(笑)」と、Aさんは晴れやかな笑顔で語っていました。異業種への転職は容易ではないものの、実現できれば新たな可能性が開かれることを実感しました。
 

異業種への転職でキャリアの可能性を広げよう


異業種への転職は、一見チャレンジングに感じられるかもしれません。しかし、新たなスキルを習得し、キャリアの可能性を広げる素晴らしい機会でもあります。まずは自己分析を行い、ご自身の強みを最も活かせる業界や職種を慎重に見極めてください。異業種への転職に挑戦することで、新たな成長を遂げ、より豊かなキャリアを築くことができるでしょう。
 
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
 
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