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  • 2024.01.22

姫路の観光産業活性化を目指す。新境地でプリン屋を作り上げるコンサルタントの挑戦 | 株式会社LightHouse

日本初の世界遺産に選ばれ、人気の観光スポットとして知られる姫路城。2022年度の年間入場者数は95万7000人以上(※)を誇り、海外からも多くの観光客が訪れている。しかし、城下町への観光客の滞在率は高くなく、市外へ移動してしまう方が多いそうだ。そのような状況のなか、ローカルビジネスとローカルコンサルティング事業を展開する株式会社LightHouseでは、姫路の魅力を再発見できる観光産業活性化に寄与する店舗を2023年7月にオープンした。『姫路城おひざもと しろプリン』だ。

しろプリンは、「もしも、江戸時代の城下町にプリン屋さんがあったら町の人がこよなく愛したであろうプリン」を想像しながらつくったプリンを販売するプリン専門店。姫路城の真っ白な壁のかけらに見立てたザクザクのメレンゲと一緒に食べる新触感の『ザクザクなめらか しろプリン』をはじめ、6種のプリンを販売している。

前職である船井総合研究所でのコンサルタント時代から「食」に関わる業務に携わっていた迫田 和仁氏は、どのような想いで株式会社LightHouse設立に関わり、姫路にプリン屋を開店したのか。コンサルタントとしての経験を活かしながら店舗を立ち上げた経緯や、今後の店舗のビジョンについて伺った。

※参考:姫路市 姫路城の2022年度入城者数

【プロフィール】
迫田 和仁

1994年兵庫県神戸生まれ。神戸学院大学卒業後、船井総合研究所入社。「食」関連のビジネスのソリューションを提案するコンサルタント業務に従事する。2022年神戸学院大学にて客員教授に就任。心理学部外部アドバイザーを務める。2023年、株式会社LightHouse設立に参画。事業の一環として「姫路城のおひざもと しろプリン」を開店。店舗の運営や飲食店へのコンサルタント事業に携わっている。

目指すは姫路の新名物。プリンで観光を盛り上げる


ーー迫田さまは新卒で船井総合研究所(以下、船井総研)に入社されたとのことですが、入社の決め手は何でしたか?
 
大学時代、船井総研に在籍する大学OBの外部講演を受けた際、ビジネスモデルや社風に興味を持ったのがきっかけでした。就活をする上では「自分がどれだけ影響力を持って社会に貢献できるか」を軸にしていたのですが、船井総研では業務を通して直接経営者に寄り添うことができ、かつ若くても活躍できる環境だと感じたのが決め手でしたね。
 
ーー船井総研ではどのような業務に関わっていたのでしょうか。
 
入社してからは一貫して、「食」に関わる企業さまへのコンサルティングに従事していました。具体的には、コロナ前から伸び続けている中食市場のデリバリーや通販事業の活性化、新規参入のサポートを行っていました。
 
ーーその頃から「食」に関する事業に携わっていたのですね。船井総研を退職されてからは神戸学院大学の客員教授就任、株式会社LightHouse立ち上げとさまざまな領域に関わられていますが、LightHouseに参画されたのはどのような経緯だったのでしょうか?
 
船井総研退職後、次のキャリアステップについては色々と考えていました。やはり「食」に関するこれまでのコンサルティングの経験を活かしたいという想いもありましたね。そんな折に、船井総研時代に働き方や考えに憧れていた先輩がLightHouseを立ち上げるという話を聞きました。企業のビジョンに共感を持てたことに加えて、地元である兵庫の魅力をより高めるビジネスができることに純粋にワクワクしたこともあって、立ち上げに参画しました。
 
ーーそれはベストなタイミングでしたね!そして、LightHouseを立ち上げてからの最初の事業として『姫路城おひざもと しろプリン』を開店したのですよね。
 
はい。LightHouseは、ローカルで生きる人々の人生を豊かにすることを目指し、ローカルビジネス事業やローカルコンサルティング事業を展開している企業です。会社ではじめて手掛けた店舗が、『姫路城おひざもと しろプリン』になります。前職でコンサルタントとしてクライアントに飲食店向けのソリューションを提案していた経験はありますが、自分たちで店舗を作った経験はありませんでした。そこで、会社を立ち上げるにあたって、自分たちでいちから店作りを経験しようという意図がありました。
 
ーーその中でもなぜ姫路を選ばれたのでしょうか。
 
姫路を選んだのは、私自身が兵庫県の出身で、兵庫で一番の観光地といえば姫路城、という点があります。また、私自身、阪神・淡路大震災が発生した年に生まれたこともあり、地元に恩返しをしたいという気持ちもありました。そこで、「観光地ビジネスの在り方を体現する」というビジョンのもと、地元である兵庫の、最も世界に誇れる観光地姫路城でスイーツ店の設立をする、という目的を定めました。
 
ーー兵庫といえば、やはり姫路城が人気観光地なのですね。
 
はい。その一方で、姫路城の城下町には目立った観光資源がなく、観光客は姫路城を訪れたあと、姫路市外に移動するケースが多くなっています。実際に、「姫路市観光戦略プラン」では、「姫路城以外の認知度が低く、回遊が少ないこと」「滞在時間、観光消費額が少ないこと」といった弱点があげられています。そのような課題を解決するためにも、『姫路城おひざもと しろプリン』を城下町の名物にしたいと本気で思っています。
 

多様な文化に触れながら、店舗のブランディングに関われる


ーー店舗のブランディング面では、やはり観光客をメインターゲットとして設定したのでしょうか。また、プリンを選ばれた理由は何かあるのですか?
 
そうですね。特に海外のお客様が多いので、日本ならではの味やデザイン、マスコットキャラクターといったものを意識しました。
 
プリンを選んだのは特定の人に依存する必要がなく、ジェラートやチョコレートほど市場は大きくないものの、マーケットは確立されており、かつ差別化を図ることもできると考えたからでもあります。このあたりは、前職のコンサルティングで得た知見も活かし、しっかり分析しました。
 
ーーなるほど。とはいえ、店舗を立ち上げてすぐは集客には苦労されたかと思います。特にどのようなことに苦労しましたか?
 
店頭のブラッシュアップやマーケティングですね。どうすれば道ゆく人に足を止めてもらえるか必死で考えながら、ポスターやPOPも全て自分たちでデザインしました。ここでも、前職のコンサルティング業務で培ったマーケティングのノウハウが大いに役立ちました。
また、SNSのキャンペーンやLINEなどを使って、観光客向けの販促、地元客向けの販促とそれぞれ分けて施策を取っています。プレスリリースを積極的に打ち、地元のメディアに取り上げてもらったことも認知度の向上につながりました。
 
ーー観光客の方は海外の方も多いとおっしゃっていましたが、コミュニケーション面などで工夫していることはありますか?やはり英語力は重要でしょうか。
 
もちろんこちらが英語などの外国語を喋ることができればそれに越したことはないのですが、英語が喋れなくても問題ありません。私自身、あまり英語は堪能ではありません(笑)。けれど、だからこそ、ボディランゲージでコミュニケーションを取ることの楽しさを味わうことができるな、と日々感じています。
 
また、店舗に入店していただいてからは、「いかに楽しんでもらえるか」を追求しています。外国の方に少しでも日本の文化を知っていただくために畳のベンチを置いてみたり、忍者のフォトプロップスを用意したり……。店内に入ってベンチに座り、写真だけ撮って帰られる外国のお客様もおられました(笑)。いかに店内で楽しんでいただけるかというのは、これまでもこれからも試行錯誤していきたいところです。
 
ーーここまでのお話ですと客層としては観光客の方が多い印象ですが、地元のお客さまはどのような方が多いですか?
 
今のところ、客層としては半数以上が観光客となっています。ですが、地元の方にも帰省する際の手土産や、ギフトとして利用していただけています。そのように、地元の方にも愛用していただく機会も今後より増やしていきたいと思っています。
 

「目的はしろプリン」そう言ってもらえる店舗を目指す


ーーこれからどのようなお店を目指していきたいか、お聞かせください。
 
最初にも話したとおり、姫路は姫路城という日本有数の観光地を抱えながらも、まだ城下町での観光はそれほど浸透していません。その点を活性化していき、「姫路に来てよかったな」と観光客の方が振り返ったときの、思い出のひとつになりたいです。そうやって、姫路に来る観光客を増やしたいという思いがありますし、いずれは姫路城が目的ではなく、「しろプリン」が目的で姫路に観光に来た、と言われるような店舗にしたいです。そのために、これまで培ってきたコンサル的な知見だけでなく、日々店頭に立つことで得られる現場での経験を活かして、店舗をよりブラッシュアップしていきたいと考えています。
 
ーー店舗販売だけでなく、最近は通信販売も開始されたのですね。
 
はい、通信販売も開始しました。非常に柔らかいプリンなので輸送の際にカラメルと混ざってしまうなど、問題は色々あったのですが、カラメルは別付けにするなどの工夫をして通販を開始できました。全国の方に商品を楽しんでもらって、それをきっかけに姫路へ観光に来てほしいと思います。
 
ーーまさにお店を目的に姫路に観光に来てもらう機会が増えそうですね。そのような「しろプリン」で働くことのやりがいや魅力はどのようなものだと感じていますか?
 
先程もお話したような、さまざまな国籍の観光客の方々とのコミュニケーションは大きなやりがいのひとつだと感じます。また、単なる販売員ではなく、SNS運営などの販促の方法を考えたり、季節限定のフレーバーのアイデアを考案したりといった、経営やブランディングの部分にも積極的に関わってもらえるのが魅力だと思います。そういったことに関わってみたい人に、ぜひ応募してもらいたいです。
 
ーー飲食店の経営やブランディングに関わることができるのは魅力的ですね!では最後に、応募者へのメッセージをお願いいたします。
 
「しろプリン」は、姫路の観光を活性化したいという思いを持って立ち上げた店舗です。姫路城を訪れるさまざまな観光客の方はもちろん、地元の方とのコミュニケーションも得難い経験となると思います。また、「しろプリン」の販促やフレーバーのアイデア出しといったブランディングの側面にも関わることができる、やりがいのある職場です。笑顔でお客様をお迎えできる方と、ぜひ一緒に仕事をできればと思っています!
 
取材・執筆 伊藤鮎

会社名 株式会社LightHouse
代表取締役 春日大輝
本社所在地 兵庫県神戸市北区日の峰3丁目28番18号
設立年月 2023年4月
事業内容 ローカルで生きる人々の人生を豊かにすることを目指した、ローカルビジネス事業やローカルコンサルティング事業の展開
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