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  • 2023.02.15

モットーは「有限速攻」。専門領域に特化したプロ集団として、形にとらわれないDX・コンサルティングを実現 | 株式会社NoSHAPE

BtoBにおけるリード獲得は、近年ますます困難になっている。オンライン・オフラインを含めてさまざまなチャネルを活用し見込み顧客に最適化したアプローチが必要となるが、自社に合う方法を選択するのは容易なことではない。

NoSHAPEはそうしたニーズに応えてBtoBに特化してマーケティング支援を行い、リード獲得の方法を幅広く紹介している企業だ。代表の鬼石真裕氏はNTTデータやリクルート、ビズリーチ、グリー、Kaizen Platformなど、名だたる企業でキャリアを重ねてきた人物。 2018年7月にNoSHAPEを立ち上げ、BtoBの広告の戦略と実行、オウンドメディア制作など7つの事業を柱に、クライアント目線で事業課題の解決を進めてきた。

一人ひとりが特化した専門領域をもつプロの集合体であるNoSHAPE。必要に応じてチームの陣形を変えたり、時代や社会の潮流に合わせて事業を変えるなど形にとらわれないビジネススタイルを基軸とする鬼石氏に、起業に至るまでの紆余曲折やビジネス戦略を聞いた。

【プロフィール】
鬼石真裕(おにいし・まさひろ)
株式会社NoSHAPE代表。NTTデータでエンジニア、リクルートで事業開発を経験し、ビズリーチの創業メンバーとしてプロダクト、マーケティングのグロースを担当。その後グリーのプラットフォーム事業責任者を経て、Kaizen Platformで大手営業・B2Bマーケティング担当役員として300社以上の大手企業の事業コンサルティングを主導。2018年より独立し、B2BのDX・セールスマーケティング支援会社NoSHAPE、チャットCRM支援会社のCienの2社を経営する。株式会社AIトラベル 社外取締役、静岡県菊川市の営業戦略アドバイザー、その他複数社の社外CMOなどを勤める。著書「2万回のA/Bテストからわかった 支持されるWebデザイン事例集」

1冊の本との出会いで180度変わった人生観


子供の頃から計画性はほとんどなかった、という鬼石氏。将来、起業するとは夢にも思わず、両親の勧めで理工系を選び、東京農工大学機械工学部に進むが、”自分に合わない”、と入学当初から感じていた。同級生の多くがメーカーに就職する中、ほかの道を模索。結果、NTTデータにエンジニアとして就職した。
 
入社してまず担当したのが、公共系のビジネスだった。中央省庁の数年かかる大規模なデータシステムを作るプロジェクトを担当したが、すぐに違和感を覚えるようになった。
 
「会社が大きすぎて、数年かかるプロジェクトなどでは、そのシステム設計が正確に動くかどうかのテストを行うだけでも1年はかかる。自分は単なる歯車の1つでしかなく、このままでは埋没してしまう、と感じたんです」
 
そんな頃、一冊の本と出会う。ロバート・ハリス著の「人生100のリスト」だ。J‐WAVEナビゲーターとしても活躍する著者が、19歳の時、この先どんな人生を歩んだら良いのか悩んだ末に100の項目からなる「人生のリスト」を作成した。この本が鬼石氏に起業家への道を歩ませる。
 
「人生に対して計画性を持たなくては、と考えが180度変わったんです。そこから、自分も”人生でやりたいことのリスト化”を始めました。以降、ひとつひとつの学びを得られるようなステップアップをめざしたんです」

転職を後押しした2つの理由


NTTデータでは、できることは限られている。もう少し規模が小さく、いろいろなことに挑戦させてくれるような職場に移りたいと考えるようになる。
 
「当時は、ベンチャー企業が脚光を浴びていて、新卒採用を始めたサイバーエージェントなどが人気でした。ベンチャーに行った友人たちはどんどん活躍し、2年目でマネージャー、3年で子会社の社長、とんとん拍子で出世していく。そんな友人の状況を横目で見ていて、これでいいのかという思いがわいてきたんです。今の会社では大きすぎてやりがいを感じにくい。ベンチャーに行った友人たちが輝いていている。この2つですね。転職を後押ししたのは」
 
そこで、NTTデータを辞めてリクルートにプロジェクトマネージャーとして入社。エンジニアを使ってシステムを構築していく仕事を担当した。
 
「リクルートは社員1人に任せる裁量が大きい。若くてもどんどん任せてくれます。上から指示されて動くのではなく、自分から仕事を作りだす風土が根付いているのです」
 
リクルートの度量の大きさに惹かれた。自分で何かを作り出していけるところが理想的だった。仕事は順調に進んだ。そんな時ビズリーチに声をかけられ、システム作りを手がけることになる。しばらくは、ビズリーチと2足のわらじで仕事をしていた。
 
「ビズリーチには、最初のサービスを作るときに参加しました。創業者の南壮一郎さんが同じ静岡の出身で、たまたま交流会でお会いしたことがきっかけです。金融出身の南さんから、『うちはITに弱いから、新しいサービスを作りたいけどなかなかできない。協力してくれないか』と頼まれたんです。NTTデータの仕事でシステムを作るために何が必要かは把握していたので、自分でも役に立てるだろうとお受けしました」

スマホに無限の可能性を見出す


ビズリーチでは社員にはならず、2年ほどシステム作りを手がけて離れたが、創業メンバーとして名を連ねている。
 
「その時点では、まだ未知の分野で修業したいと思っていました。起業も意識していなかったんです。それで当時、新しいビジネスモデルをしかけていたグリーに移りました」
 
グリーは、SNSなどを日本で先駆けて始め、携帯会社との提携によりモバイルソーシャルゲームをリリースしたことで、その名を世に知らしめた。しかし、鬼石氏はゲームを作ることに興味があったのではなく、当時まだ主流ではなかったスマホに大きな可能性を見出していた。今でこそスマホには広告や有料コンテンツがあふれているが、当時はPC仕様の広告や記事がスマホに焼き直しされるだけだった。その頃、スマホには料金が発生する仕組みはなかったのだ。
 
「当時はPCとスマホ両方に表示させても、”.スマホでも見られる”、ということに価値はありませんでした。たとえば、PCで見ていたリクナビがスマホでも見ることができるようになった、という程度のことです。スマホ利用者が劇的に増えていったのに、クライアントにスマホ単体での商品設計がまだリクルートになかったんです。開発にお金がかかる、といって、売り上げが芳しくないところは、スマホのサービスを止めることすらあったんですよ。R25などもその一例です。本来はスマホにどんどんシフトしていくトレンドが予見されていたのですが、リクルートとしては、スマホ対応を頑張ったところで、そんなに売り上げが上がるわけでもない、やめようと。でも、自分にはスマホの可能性が無限にあると思えた。そこで、スマホ単体でビジネスモデルを作っているような会社にいきたいと考えたんです」
 
グリーは自社のゲームに集まってくるユーザーを他社が作るゲームに送客して、手数料を受け取るビジネスモデルだった。
 
「まず、いろいろなゲームがここにありますよ、という場を作り、自分たちが作ったゲームでプロモーションをして、たくさんの人を集める。その人たちを他社のゲームにどんどん送り込む。そこで課金して売り上げを何割かください、というシステムです。そういうプラットフォームビジネスの責任者をしていました。当時は、まだガラケーが中心だったのですが、スマホに対応するプラットフォームを作るプロジェクトをプロデューサーとしてスタートさせました」

副業が起業のヒントに


在籍したどの会社のプロジェクトも中心になって成功させ、その都度評価を得てきた鬼石氏。グリーではスマホプロジェクトを軌道にのせ、以降、業績を伸ばす一方だった。その時点で区切りをつけ、次のステップへ。Kaizen Platformに転職し、そこで初めて副業を始める。
 
「その副業が起業のきっかけですね。Kaizen Platformでは、やりたいことが自由にできる環境だったので、収入が減ってでも将来の展開を模索していました。その期間を得たことで起業の準備ができたんです」
 
Kaizen Platformの事業はWebサイトを改善して数字を上げることがメイン。ここから今の会社の起業のヒントを得た。さらに副業として、営業やマーケティングなど、それまでの経験を総合した専門性を発揮してアドバイスがほしい、という依頼に応えていた。
 
「Kaizen Platformではオペレーション、事業開発、マーケティングのそれぞれ責任者としてプロジェクトを遂行しました。起業に必要なあらゆるジャンルの職種を経験できたと、今となってはそう思っています。そのうちコンサルタントの依頼も増えて、会社を立ち上げたほうが仕事がやりやすい、とサラリーマンをしながら準備していきました」
 
コンサルティングをしていたなかで、特に重視したのがスピード感。従来、Webサイトや紙媒体の広告などでは、企画、ディレクション、コピー、デザインなどをど数社が分担していた。そのサービスを集客からサイト改善まで一貫して手掛けることにより、短期間で結果が出せるシステムを構築することをめざして、副業で顧問をしていた会社をNoSHAPEとして会社化した。Kaizen Platform同様、企業のDX支援全般を担うが、プロセスと人員を極力コンパクト化し、複数の専門家が一案件に専任し短期間で解決する仕組みだ。
 
「年間の事業計画から逆算し実行計画を立てるのが当社最大の特徴です。期間を限定することで、効率よく結果が出せる。NoSHAPEという社名の通り、顧客の課題に応じて自分たちの役割を柔軟に変えていきます。ギルド(職能) 的チーム編成をとり、社内外問わず、目的に応じて人材をアサインしてチームの陣形を随時変えたり、時代の潮流に応じて事業を変更したり、形にとらわれないビジネススタイルをとっています」

即効性のある改善で集客増を目指す


WebサイトのUI/UX改善、企業のDX促進、動画事業 と多岐にわたる事業のなかでも、特に即効性がある結果を出せるのがWebサイト。鬼石氏は、『2万回のA/Bテストからわかった 支持されるWebデザイン事例集』という著書も出しており、2万回の実例から厳選されたA/Bテストの実例をもとに、どのようなUIデザインが支持されるのかを解析するなどWebサイト改善のスペシャリストだ。
 
「既存サイトの改善だけで集客効果がすぐにでます。現状分析と課題抽出が非常に重要ですが、分析から得た数値だけにとらわれず、デザインに対する見た目の感覚、ペルソナ(マーケティング活動のよりどころとなる架空の人物像)を想像したときのユーザー目線での使い勝手など、ヒューリスティック(必ずしも正しい答えを導けるとは限らないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる方法)な面での分析も重要視しています。Webサイトの要所要所に優劣をつけ改善することが集客増の近道です」
 
また、効率化を徹底するため、NoSHAPEでは有料広告運用における運用手数料が媒体費に依存しない「手数料定額制モデル」を導入した。さらに、広告と連動し、バナー制作、サイト改修、LP制作など、あらゆる集客支援を同時に実行でき、スピードアップできるのも同社の強みだ。
 
「広告運用においても、事業計画から逆算します。逆算することで期間を限定することにより、短期間で目標達成に必要なリード数を算出し、リード獲得に必要な広告運用が可能になります。獲得したリードが商談につながったのか、受注につながったのか検証し、各ステップを逆算して実際の広告運用自体を改善し、最適な形にチューニングしていきます」

DX戦略による自治体への実行支援で事業拡大


さらに、鬼石氏は地方創生事業として静岡県菊川市の「きくがわ応援大使」に就任。今後は、町の活性化支援にもかかわっていく方針だ。
 
「全国最大級の自治体応援・課題解決のためのコミュニティを目指して始動したところです。これまでBtoB領域で培ってきた経験と実績を活かして、自治体のプロモーションやDX戦略での実行支援も積極的に事業として組み入れていきます」
 
今や年間何億もの予算を預かる集客案件を抱え、さらに事業拡大を図るNoSHAPEだが、会社として掲げるコンセプトは、「スピードこそが価値の最大化」。「有言速攻」をモットーとする鬼石氏は、どんな人材を求めているのだろうか。
 
「高い成長意欲を持つ人。仕事人間の集まりなので、即効性と成果にこだわり、事業貢献できたかを自己責任を持って追い求めること。お客さま目線で、プロジェクトを推進できる人。大企業の集客プロジェクトを一手に引き受けられる人材が欲しいですね」
 
取材・文:山下 美樹子

会社名 株式会社NoSHAPE
本社所在地 東京都東京都渋谷区恵比寿南3-9-23 ウィスタリアン恵比寿 402
役員 代表取締役 :鬼石真裕
最高執行責任者(COO):郷康宏
事業内容 DX実行支援事業、事業グロース支援(事業グロース・Webサイトグロース)、集客支援・サイト制作支援事業
設立年月 2020年

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