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  • 2024.07.05

医療業界の人手不足の解決に全力を尽くす。医療現場をサポートするナースエイド(看護助手)派遣の最前線| 株式会社タスクフォース

医療業界で人手不足が叫ばれている。2024年4月より医師の働き方改革が施行されたことに伴い、看護師へのタスクシフトが進むことで、現場の労働力不足は一層深刻な状態になっていくと考えられる。解決策として、看護師が行っている業務やタスクの一部をナースエイド(看護補助者)に共有・分担する「タスクシフト・シェア」が進められている。

そんな中、主に近畿、中部、関東の大規模医療機関を対象にしたナースエイド派遣に強みを持つ人材サービス事業を展開しているのがタスクフォースだ。勤続年数の長い経験豊富なスタッフを数多く抱え、一つの大規模病院に 100名以上のナースエイドを派遣することも。各顧客から唯一無二のパートナーとして信頼されている。

タスクフォースは、なぜここまで医療機関から支持されているのか。2024年から代表を務める鳴川 光平氏に、優秀なスタッフが定着する仕組みづくりと業界を進展させるビジョンについて伺った。

【プロフィール】
鳴川 光平
株式会社タスクフォース 代表取締役社長
2008年3月、大阪市立大学医学部医学科卒業、医師免許取得。2008年4月より外資系の大手証券会社にてM&Aアドバイザリー業務及び資金調達業務に従事。その後、総合商社での勤務を経て、2014年から約8年間にわたり外資系プライベート・エクイティファンドで企業投資を担当。2022年に独立し、医療・ヘルスケア業界において活動を開始。メンタルヘルステクノロジーズ社のエグゼクティブ・アドバイザーとなり、2024年2月にタスクフォースの代表取締役に就任。

中長期的な視点で、企業を成長させたい


大学卒業とともに医師免許を取得している鳴川氏だが、自らの視野を広げるべくファーストキャリアに選んだのは金融・投資の世界だった。
 
「漠然と中長期的には医療業界にも貢献できればと思っていましたが、まずはあらゆる組織体の成長にインパクトを与える金融や投資のことを学びたいと考えました。外資系証券会社の東京拠点で、M&Aや資金調達の実務を経験。その後は総合商社でのM&A経験を経て、PE(プライベート・エクイティ)ファンドではM&A後による投資後の仕組みづくりにも取り組みました。その中で投資やM&Aの難しさを最も感じたのは、多種多様な手法で事業や組織運営を進めてきた企業同士を真の意味で融合し、企業体としての成長を最大化させること。思い通りにシナジーや成果を発揮できないM&A・投資が多い中で、それぞれが持つ価値観を大切にしながら、非連続的な成長をスムーズにスピード感をもって進められる環境づくりを日々追求していました」
 
各企業と共に充実した日々を過ごしていた鳴川氏だったが、そもそもPEファンドは企業価値を高めた後にその企業を売却することで利益を得る。そのため、どんなにがんばって企業を成長させても、5年ほどで会社を手放さなければならない。そこに鳴川氏は寂しさを感じていたという。
 
「もっと中長期的な視点を持って、組織や事業を持続的に成長させていきたい。そんな願いを強く持つようになり40歳手前で独立し、自分の出発点でもある医療・ヘルスケア業界を軸に経営コンサルティングなどを行うようになりました。医療業界には学生時代の友人たちも多く働いているので、医師や看護師を含めた医療従事者が、よりポテンシャルを十分に発揮できる世界をつくっていきたいと考え、様々な医療法人や企業との仕事を進めてきています」
 
独立後に関わっていた医療法人グループが、さらなる成長に向けた施策としてグループ内企業のM&Aを検討している中で、買い手候補として挙がったのが、従業員の心身の健康管理に関する各種クラウド型サービスを提供するメンタルヘルステクノロジーズ社である。同社の上場企業としての安定した経営組織基盤が決め手になり、M&Aは円滑に成立したという。
 
「メンタルヘルステクノロジーズは、M&Aの買い手としての信頼感だけではなく、企業の成長基盤である『社員の心の健康』を守るサービスを提供していることに魅力を感じました。事業のさらなる成長に貢献したいと思い、M&Aの成立と同時に同社の経営に携わることに。M&Aの対象となった企業を引き続きサポートしていきたいという思いもありましたね」
 
2022年12月にメンタルヘルステクノロジーズのエグゼクティブ・アドバイザーに就任した鳴川氏。同社の経営に携わる中で出会ったのが、タスクフォース社である。
 
「タスクフォースは、オーナーが高齢のため、信頼できる企業への事業承継を検討していました。今後の継続的な成長や社員の皆さんのことを考え、信頼できる引き継ぎ先を探していたのです。その相手先として選ばれたのが、当時私がアドバイザーとして関与していたメンタルヘルステクノロジーズです。出会った当初から、タスクフォースが取り組んでいるナースエイドの分野は将来的な伸びしろがあり、大きな成長の可能性を秘めていると思っていました」
 
今まで培ってきたM&A後の仕組みづくりの知見も活かすべく、2024年2月に鳴川氏がタスクフォースの代表取締役に就任。ナースエイド派遣事業の拡大を通して、医療業界をより良く変えていけると感じているという。
 
「ビジネスの世界で変革を起こすためには、『人』『モノ』『システム』を大きく活性化させる必要がありますが、タスクフォースのサービスモデルは『人』で変革を起こしていける可能性があります。というのも、タスクフォースが注力しているナースエイドは、看護師のような専門資格がなくても働くことができます。ベッドメイクや病室の環境整備、移動補助、入浴や排せつの補助などの仕事に無資格・未経験から挑戦できて、必要なスキルは現場で習得することも可能です。経験の浅いスタッフがいる現場にはベテランのナースエイドをチームで派遣し、メンバー同士の成長も促進されるので、将来的には医療業界の人手不足を解消する重要なドライバーになると思っています」

M&Aで社員一人ひとりの目的意識が強くなる

代表就任後に鳴川氏が目標として掲げているのは、ナースエイドの人材派遣における市場を積極的に創造していくことである。
 
「我々が取り組んでいるナースエイドを中心とする医療系の人材派遣に対するニーズが、今後さらに拡大していくことは間違いありません。一方で、旺盛な需要に応えきれる供給者がまだ十分に育っていないのも実情としてはあり、我々としてはその先頭に立つプレーヤーの1社として、全国規模でサービスを展開していく必要があると考えています」
 
高い目標を掲げつつも、実際の経営では地に足のついた取り組みを行っている。その一つが社員へのインタビューだ。
 
「まずは社員一人ひとりの話をしっかり聞いて経営に活かしたいと思い、面談を全員と実施しました。それぞれの支店や部署ごとの現状を正確に把握し、優先順位の高い課題がどれなのかを整理していく。そして、重要性の高いものからスピード感を持って課題解決に取り組んでいます」

社員へのヒアリングを通して浮き彫りになったのは、会社の方向性の明確化の必要性に加えて、一人ひとりの目標設定とアクションプランの曖昧さだった。創業から20年以上のオーナー会社であったこともあり、個人商店のような感覚が強く、企業としての一体感にも課題を感じたという。
 
「明確な目標を設定することは、組織のパフォーマンスを高める上で特に重要なので参画後から優先的に取り組んできました。自分が何をしなければいけないのか、具体的な目標を設定してアクションプランを決めないと、成果の振り返りが曖昧になってしまいます。個々の目標を重視しつつも、個々の評価については目標達成のための『プロセス』を最も大切にしています。どれだけスピード感を持って行動しているのか、結果が出ないときにどうリカバリーするのか。常に考えて施策を実行していった結果、目標に近づいていくのが理想だと考えています」
 
タスクフォースのメンバーは、M&Aをどのように捉えているのか。支店長として現場を取りまとめている執行役員の水野万喜氏に伺った。
 
「最初は不安を感じていたメンバーもいましたが、今までよりも目標が明確になり目指すべき方向が共有されたので、とてもポジティブにM&Aが捉えられていると思います。売上や事業KPIなどの数字もオープンに開示しているので、自社の現状が理解できますし、『自分ごと化』して前向きに取り組めるようになったと感じています」(水野氏)

現場スタッフの定着率が高まる仕組みづくり

医療業界では人手不足が顕著なため、必要とされるスタッフをスピーディーに採用し、欠員状況を作らずに派遣し続けられる体制を作ることが現場の生産性向上に直結する。スタッフ採用においては、メンタルヘルステクノロジーズとのシナジーが大きく発揮されているという。
 
「メンタルヘルステクノロジーズが長年培ってきた採用戦略や豊富なノウハウを共有してもらっているので、非常に助かっています。採用率を高めるための求職ページの打ち出し方や出向媒体など、学びが多いですね。ナースエイドの人口は全国で20万人ほどいると言われており、そのうち派遣会社などに登録しているのは10%ほど。まだまだ市場が拡大していく余地は大きいので、、今後もグループ内の知見を有効活用しながら採用強化に取り組んでいきます」(鳴川氏)
 
同社では人材採用だけではなく、現場スタッフが定着するまでのフォローも手厚い。その施策の一つが、当日の欠員にも対応できるチーム体制だ。
 
「他社の人材派遣では一般的に、スタッフが当日急用で休んだとしても欠員が出た状態で現場を進行するしかありません。その中にはお子さんが急に熱を出して休まざるを得ないケースも。自分の過失ではなくても『周りに迷惑をかけて申し訳ない』と負い目を感じ、離職につながってしまうことも多いです。当社ではそういったことが起こらないように、欠員をすぐに補充できる人員体制を構築しています。スタッフ数に余裕を持たせた仕組みは、万が一のときに現場の負担を軽減できるので、クライアントから評価が高いですね」(水野氏)

支店長として現場を取りまとめている執行役員の水野万喜氏(画像左)と代表取締役社長の鳴川 光平氏(画像右)。

日々の派遣先においても、タスクフォースの営業メンバーが定期的に現場を訪れ、医療機関と折衝しながらスタッフが働きやすい環境を整備している。医療機関によっては、派遣スタッフ専用のスペースを設けていることもあるという。困ったことがあったときにいつでも相談できる職場環境がスタッフから支持され、定着率の高さにもつながっている。
 
「ナースエイドスタッフの一般的な離職率は40〜50%で、2〜3年で入れ替わることが多いと言われています。しかし、我々は教育研修やオリエンテーションを充実させ、日々働きやすさの改善に努めているので、スタッフの平均勤続年数が5年超に。クライアントからも長く働けるスタッフが求められているので、スタッフにとって働きやすい環境整備は我々のサービスの質を高める観点において非常に重要です」(鳴川氏)
 
全社でスタッフのモチベーションアップに向け、最近では一人ひとりの努力や取り組みをより正当に評価できる人事制度を新たに取り入れようとしている。
 
「一人ひとりの意欲を引き出すには、個々のスキルや事業への貢献度に合わせて、適切な評価やフィードバックを実施していくことが大切です。明確な人事評価制度を導入することで、スタッフだけではなくクライアントからの信頼も高まり、より働きやすい現場になっていくのではないでしょうか。医療現場を長年支えてきた優秀なスタッフや社内メンバーが多いことは、当社の財産だと思っています」(鳴川氏)

ナースエイド市場には無限の可能性が広がっている

タスクフォースでは、今後の取り組みとして現場スタッフのキャリア形成にも注力していくという。
 
「当社は一つの大規模病院に100名以上のナースエイドを派遣することもあるので、それらのスタッフを統括するリーダーやサブリーダーのポジションは現在もあります。今後はそれに加えて、複数の現場でスタッフの育成に努めていただけるようなポジションも用意していきたいと考えています。その先では皆さんの希望に合わせて、医療機関向けの営業や、スタッフを集めるマーケティングなどの仕事を選ぶこともできるので、ナースエイドから新たなキャリアプランを描けるようになると思います」
 
経験豊富なスタッフとその定着率の高さで、多くの医療機関から支持を集めるタスクフォース。どのような人材が現在求められているのか鳴川氏に伺った。
 
「ナースエイドのニーズが急速に高まっているので、新たな市場を開拓したい、社会貢献を通じて個としても大きく成長したいと考えている方に最適なフェーズだと思います。我々が現在取り組んでいるナースエイドの領域は、成長の可能性が無限にあるものの、専門的に取り組んでいるプレーヤーは限定的です。需要は目の前にあるので、我々の力次第で主体的に市場を作っていくことができます。市場創出に興味関心を持ち楽しさを感じていただける方に、ぜひジョインしていただければと考えています」
 
取材・文:VALUE WORKS編集部
 

会社名 株式会社タスクフォース
本社所在地 大阪市中央区本町4-4-24 住友生命本町第2ビル
役員 代表取締役:鳴川 光平
事業内容 労働者派遣事業、有料職業紹介事業、業務請負業
資本金 1億2,500万円
設立年月 2001年2月
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