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  • 2022.11.04

フリーランスの力が社会を変える。業界最低水準のマージンで実現するコンサル業界の新たなスタンダード | 株式会社WorkX

「第4次産業革命」と呼ばれる技術革新が急速に進む中、日本企業の遅れが目立っている。コンサルティングファームの需要が高まっていることに加え、新規事業の領域では外部メンバーを中心にプロジェクトチームを組成することが珍しくない。

そのような社会状況で成長を続けているのが、企業とフリーコンサルタントのマッチングサービス『Pro Connect』だ。人材の質にこだわり抜き、上流のDX推進やWebマーケティングの強化、さらにはニッチな専門分野のコンサルティングまで、企業変革を可能にするハイクラスな人材が3,000名以上在籍している。

しかも、業界で非公開とされていたマージンを、クライアントとコンサルタントの双方に開示。業界最低水準のマージン(8〜15%)をベースにした安価なコストでありながら、総合コンサルティングファームに劣らない豊富なソリューションを提供している。

『Pro Connect』を運営する株式会社WorkXは、なぜ自社の利益よりも登録者やクライアントの利益を優先するのか。そこには、代表の東野 智晴氏が経験したコンサルティング業界の「負」が大きく起因している。

「フリーランスが搾取される、間違った世界を本気で変えたいと思っています。起業のアイデアは他にも色々ありましたが、『Pro Connect』ほどやりたいと思った事業は他にありませんでした」

順調なキャリアから一転、起業を決意したきっかけや創業後に直面した組織崩壊の危機を振り返りながら、社会を変えようとする使命感の源泉に迫ってみたい。


【プロフィール】
東野 智晴
株式会社WorkX 代表取締役
2009年大学院卒業後、大手損害保険会社に入社。2013年に総合コンサルティングファームに転職し、マーケティング・セールス領域の改善を中心に支援。データサイエンティストとして社内研修の講師も務めた。2018年 10月にフリーランスのコンサルタントに企業の案件を紹介する株式会社WorkX(旧:イーストフィールズ株式会社)を設立。創業時は自身でフリーコンサルタントとして働き、2ヵ月で 1,000万円を稼いだ実績もある。

子どもの頃から、自分のビジネスを持ちたかった


両親や祖父が自らの事業を営んでいたこともあり、子どもの頃から起業が当たり前だと思っていた東野氏。その背景には、学生時代に育まれた自立心が強く影響している。
 
「中学入学を機に寮生活が始まり、同時期に両親の離婚も経験しています。育ててくれた母親に出来るだけ負担をかけたくないと思っていました。それもあって、大学院まで行かせてもらったことには本当に感謝しています」
 
学生時代は薬を作る研究に没頭し、学校が閉まっている日以外は毎日学校へ登校していたという。研究室内でもトップクラスの成績で、就職活動の時期には大手製薬会社への推薦の話も来ていたという。
 
「そのまま研究者になる道もありましたが、一般企業への就職を選びました。教授などに引き止められましたが、ビジネスの世界で生きていきたいと思ったのです。数年後に起業することを念頭において、事業の立ち上げやサービス運営に必要なスキルを身につけるため、まずはIT企業で働こうと考えました」
 
2009年に大手損害保険会社のIT専門部署へ入社した彼は、サーバーを運用するチームで活躍。2年目からは、異動でIFRS(国際財務報告基準)のプロジェクトに参画している。国際的に統一した基準で決算数字を出すため、統計ソフトウェア(SAS)の資格も取得し、システム開発プロジェクトを推進していた。
 
「サーバー運用チームでは、ハードウェアやネットワークに関わるITの基礎技術が学べたので、自分のキャリアにかなりプラスになりました。それに加えてIFRSのプロジェクトでは、プロジェクトマネジメントがいかに大切なのかを実感。その後のビジネスに大きく役立っています」
 
起業に向けてさらに多くの経験を積むため、2013年に総合コンサルティングファームに転職。幅広いビジネスの知識やノウハウを身につけることを目的にしていた。主にマーケティング・セールス領域の改善を支援し、その中で特に意識していたのは自らの市場価値だという。
 
「市場価値は希少価値であり、希少価値を上げていくのに有効なのは専門領域の掛け算だと思っています。例えば、IT領域で上位5%人材になるのは国内でも相当難しい。しかし、IT×保険×データ分析のように、異なる領域を組み合わせてトップ人材になるのであれば、上位になる可能性はグッと上がる。それぞれ上位30%くらいのスキルしかなくても、3つを組み合わせると上位3%の人材になれるのです。私の場合は、保険業界や製薬業界の経験・ノウハウを活かすことを意識していました」
 

フリーランスが搾取されない仕組みをつくる


在籍していたコンサルティングファームで、目標未達だった部門を5年連続で目標達成に導くなど、順調に実績を積み上げていく東野氏。しかし、その中で次第にコンサル業界に潜む「負」に疑問を感じるようになる。
 
「コンサルティング業界全体のビジネスモデルとして、クライアント側はコンサルティングサービスを利用しづらい料金体系になっています。というのも、コンサルティングフィー(報酬)は一般的に、6〜7割ほどがコンサルタントへ、そして残り3〜4割ほどがコンサルティング会社の利益として計上されます。つまり、マージンが高いためにキャッシュリッチな大手企業が優先されることも多いのです。アウトプットの対価に見合わないマージンを搾取するような企業もあるので、業界を変えていきたいと思うきっかけとなりました」
 
また、あるプロジェクトで知り合ったフリーコンサルタントたちとの交流をきっかけに、フリーランスが働きやすい環境をつくっていく必要性を感じるようになる。
 
「フリーコンサルタントの方々と話すなかで、彼らが登録しているサービス会社から高額なマージンを搾取されていることを知ったのです。フリーランスの方々は自由に働いているイメージを持っていましたが、それとは逆の弱い立場だということに衝撃を受けました。その後、子どもを授かって働きながらの育児を経験したことにより、誰もが自由に働ける社会を実現したいと思うようになりまして。そのためにまずは、フリーコンサルタントの方々が搾取されないサービスをつくろうと決意しました」
 
2018年にWorkX(旧:イーストフィールズ)を設立し、フリーコンサルタントに企業の案件を紹介するサービス『Pro Connect』をスタート。その大きな特徴は、業界最低水準のマージンにある。
 
「今まで業界内でブラックボックスだったマージン率を公開し、業界最低水準の 8〜15%をベースに設定しました。登録者・クライアント間の双方でマージン率を確認できるので、フェアな働き方を実現できるようにしています。また、コンサルタントの報酬が高くなり、他のエージェントが 120 万円/月で提示している案件において、プロコネクトでは170 万円/月が掲示されるなどの実例もあります」
 
以前から起業のアイデアを書き溜めていた東野氏だが、その中でも『Pro Connect』は特に思い入れの強い事業だった。前職のコンサルティングのノウハウを活かしながらも、当初は事業運営にかなり苦労したという。
 
「無名のサービスに登録したり個人情報を預けたりすることのハードルが高く、信頼してもらうまでが大変でしたね。企業の案件数と登録者の両方が少ないので、マッチングが成立しづらい状況だったのです。マッチングサービスは登録者を揃えてからが勝負なので、そこまでをどうやって耐え凌ぐのかという苦しさがありました」
 
社員は東野氏だけだったので、業務委託のメンバーと協力しながらリファラル中心で新規案件を開拓。時には、前職で知り合ったフリーランスのコンサルタントに案件を手伝ってもらうこともあったという。
 
「前職の繋がりや経験を活かしながら、売上をゼロから少しずつ伸ばすことができました。また、フリーランスのコンサルタントなら誰もが知っているような経済系の大手メディア数社に取り上げてもらい信頼を得られたおかげで、登録者も順調に増加しました」
 

創業2年目で組織崩壊の危機に直面


創業2年目には、最初の社員を採用した東野氏。高いスキルで売上が倍に跳ね上がったものの、これが組織崩壊の危機の始まりだった。
 
「同時期にもう一人採用したのですが、この方が当社のビジネスを盗用しようと画策しておりまして。最初に採用した社員と一緒に新たな会社を立ち上げて、WorkXの人材や案件を引き抜こうとしていました。そればかりではなく、他の社員に対して『こんな会社辞めたほうがいいよ』と退職を促すことも。社内を大きく掻き乱され、組織崩壊の危機に陥りました」
 
法的措置も駆使しながら、何とか窮地を脱したWorkX。この危機を教訓に、「対話」を重視した組織づくりに注力するようになったという。
 
「それまでの当社を振り返ると、組織として機能していない個人プレーの会社だったと思います。リモート会議で仕事の用件だけを伝えるだけのコミュニケーションで、『対話』の機会が本当に少なかったと反省しています。組織を変えるためにまず行なったのは、みんなが集まれる場所をつくること。広めのオフィスに引っ越し、自然と会話が増える環境を整備しました。そして、困ったことを気軽に相談できる1on1を導入。メンバーがどんなことを考え、この会社で何をしたいのかなど、一人ひとりとしっかり話すようにしていったのです」
 
コミュニケーションの機会は、社内だけに止まらない。定期的にイベント(納会)を開催し、仕事以外のこともフランクに話しながらお互いの理解を深め合える場を設けている。最近では、コロナ禍の状況を考慮しながらのランチやバーベキュー、さらにはみんなで体を動かす“運動会”も開催しており、参加率は毎回80%を超えているという(任意参加)。
 

「メンバー同士の繋がりができたことで、圧倒的に相談しやすい雰囲気になりました。チームで解決しようとする『結束力』が強くなり、『次はこれをやろうよ』など自発的な取り組みも増えたと感じています」
 
さらに、社員の採用基準についても大幅に変更。以前はスキル重視の採用だったが、現在は応募者のマインドセットや人間性を第一に見るようにしている。その結果、メンバーの定着率が以前よりも高まっているそうだ。
 

「ストック型」に近いビジネスモデルで急成長

一時的に利益を落としながらも組織化を進めた結果、3ヶ月後には売上高が5倍以上に成長。その背景には、社内のチームワークはもちろんのこと、『Pro Connect』のサービス継続率の高さがある。
 
「各案件でトラブルが起こらずクライアントの継続率が高いため、一度マッチングすると継続的に利益を生み出せる『ストック型』に近いビジネスモデルを実現できています。それを支えているのは、フリーコンサルタントの質の高さです。書類審査をクリアした一定のレベルが担保された方のみが登録できる体制にし、面談時にはスキル以外のマインドセットも見るようにしています。実務面では、ビジネスマナーや実際に作成した資料など、細かい部分までしっかり確認していきます」
 
活躍するフリーランスの安定した働き方を支えるため、CS(カスタマーサクセス)チームが一人ひとりの登録者に伴走。案件終了後には、次の案件ですぐに稼働できるようにサポートしている。
 
「各コンサルタントの強みを社内で共有できるシステムを構築しています。プロジェクトの条件を入れるだけで、案件に適した人材をすぐに調べられます。私たちは最適な人材を最終的に精査するだけなので、少ない工数で正確なマッチングが可能に。そこで削減した人的コストを登録者やクライアント企業に還元できるので、とても合理的なシステムだと思います」
 
登録者が3,000人を超え、競合に負けない独自のポジションを確立しているWorkX。成長の秘訣は、登録しているコンサルタントたちの声にしっかり耳を傾けてきたことにある。
 
「フリーランスの方々から、当社の事業運営について具体的なアドバイスをいただき、それを社内で忠実に再現してきたからこそ、強い仕組みと組織を構築できました。時には厳しいご指摘もいただきますが、私たちの成長を支えてくれているのは、間違いなくフリーコンサルタントの皆さんだと思います。案件と事業運営の両方でお世話になり、感謝してもしきれません」
 

大切なことは、バッターボックスに立つこと


フリーランスの方々と二人三脚で歩みながら、中長期的には新規事業にも挑戦しようとしている東野氏。その根本にあるのは、創業当時から変わらない「個人の働き方を自由にしたい」という想いだ。
 
「フリーランスの皆さんと一緒に、各社の新規事業立ち上げをサポートすることに取り組み、再現性の高い価値を創出していきたいと考えています。新規事業を立て続けに成功させることで、フリーランスの活用が有益だと、社会にもっと示していきたいのです。あくまで一案ですが、“新規事業創出パッケージ”のように打ち出して、各企業をサポートしていきたいと思っています」
 
今後さらに大きな価値を社会に提供していくため、WorkXは「成果と成長にこだわる集団」を自ら掲げている。
 
「当社はバリューとして6つを掲げていますが、その中でも特徴的なのは『バッターボックスに立つ』ということです。当社のサービスにおいては、当事者意識を持つことがとても重要なのです。野球に例えるなら、観客席で野次を飛ばしている人よりも、三振でもいいからホームランを狙って打席に立つ人が、WorkXに向いていると思います。そしてその後の実行フェーズでは、『PDDDCA』の価値観を大切にしています。今の私たちは、失敗してもすぐに起動修正できる規模なので、PDCAのPlan(計画)、Check(評価)、Action(改善)もしますが、成功すると思ったら『まずはやってみる』スピード感を大切にしています」
 
成長が加速している環境のなかで、どのような仕事の醍醐味を感じられるのか。最後に東野氏は、WorkXで感られる仕事のやりがいについて語ってくれた。
 
「業界横断でコンサルティングサービスを提供しているので、様々な業界を見渡しながら、色々な課題や案件にチャレンジできます。それに、自分が携わったプロジェクトが、社会に大きなインパクトを与える場面に立ち会うこともあります。社内のポジションにおいても、手をあげれば自分のやりたい業務を担当できるので、自分の能力を高めたい方にとって最適な環境ではないでしょうか。私たちは、フリーランスも正社員も自由に働ける社会を作っていきたいので、そのビジョンに共感してくださる方にぜひジョインしていただければと思います」
 
取材・文:VALUE WORKS編集部  撮影:岡田 晃奈

会社名 株式会社WorkX
本社所在地 東京都渋谷区恵比寿1-19-15 ウノサワ東急ビル3階
役員 代表取締役 東野 智晴
事業内容 案件紹介サービス「Pro Connect」の開発・運用
コンサルティングサービスの提供
資本金 15,000,000円(準備金含む)
設立年月 2018年10月
従業員数 64名(2024年2月1日時点)

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