コラム

ワンマン社長の特徴は?問題点や対処法について解説

事業成長のために最終的な意思決定を行うのが経営者の仕事です。一般的に何かあった際の全責任は経営者にあるので、従業員の顔色を伺うばかりでは務まりません。しかし、「さすがにそれってワンマン経営では?」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。そこで本記事ではワンマン社長の特徴や問題点、対処法について紹介します。ワンマン社長に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

ワンマン社長とは?

企業の意思決定を一手に引き受け、自分の意見や判断を優先するリーダーシップスタイルをもつ社長のことです。決定権が集中するため、部下の意見を取り入れず、自己中心的な行動が目立つ傾向があります。迅速な意思決定ができるというメリットがありますが、社員の士気低下やイノベーションの停滞を招くリスクが大きいといえるでしょう。

ワンマン社長に共通する特徴


ワンマン社長に共通する特徴には、なにがあげられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

自分の考えが一番正しいと思っている

ワンマン社長は、自分の判断や意見が最も正しいと信じがちです。そのため、部下の意見や提案を軽視することが多々あります。このような態度は、社員の創造性を阻害し、組織全体の柔軟性を欠く結果を招きかねません。

感情のコントロールができない

感情のコントロールができないワンマン社長も多いです。怒りっぽくなったり、落ち込んだりと気分の変動が激しいことが多いでしょう。その結果、社員がストレスを感じやすくなるため、業務に集中できない環境となってしまいます。

好き嫌いで人事を行う

人事を個人的な好き嫌いで判断することもワンマン社長のあるあるです。具体的には、社員の能力や業績ではなく、個人的な好みや感情に基づいて昇進や異動を決定する行為を指します。公平性や透明性を欠くため、社内の士気が低下し、有能な人材が離職する原因となります。

指示が毎回変わる

指示が頻繁に変わる点も特徴の一つです。一貫性のない指示や方針転換が頻繁に行われることで、社員が混乱し、仕事の効率が著しく低下する状況を指します。結果的にプロジェクトの進行が遅れ、企業全体の成長や競争力が阻害されるリスクが高まります。

ワンマン社長が原因で起こる問題


企業のトップである社長がすべての意思決定を行うことは、一見効率的に見えても実際には多くの問題を引き起こすことがあります。主にどんな問題が起きるのか、見ていきましょう。

意思決定の遅れ

ワンマン社長はすべての重要な意思決定を自ら行うため、社内の意思決定が遅れることがあります。特に多忙なスケジュールをもつ社長の場合、緊急性のある課題にも対応が遅れがちです。その結果、競争力を失い、ビジネスチャンスを逃すこともあるでしょう。

社員の士気低下

ワンマン経営の環境では、多くの社員が自分のアイデアや提案が無視されると感じやすいです。そのため、社員のモチベーションが低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性が高いといえるでしょう。社員が積極性を失い、創造性が抑制されることが懸念されます。

組織の硬直化

ワンマン社長の影響力が強い場合、組織全体がその人の意向に依存しがちになります。依存により、組織の柔軟性が失われるため、新しいアイデアや方法を採用する能力が低下することは間違いありません。結果として、時代に適応できないまま停滞するリスクが高まるでしょう。

後継者問題

ワンマン社長が長期間にわたって統治すると、いずれ後継者問題も浮上します。ワンマン社長のもとでは次世代のリーダーは育ちにくいため、社長が退任した際に組織が混乱する可能性が高いです。スムーズな事業承継が難しくなると、会社全体の安定にも影響を及ぼすでしょう。

社外との信頼関係の欠如

ワンマン経営では、取引先や投資家とのコミュニケーションが社長一人に集中するため、信頼関係が築きにくくなります。忙しい社長に代わって定期的にフォローできる人間がいないと、ビジネスパートナーとの関係が不安定になりやすいため、長期的な協力関係が築けないリスクがあります。

ワンマン社長への対処法


ワンマン社長のもとで働くことは、一筋縄ではいかないことが多いでしょう。では、社員としてどのように対策を立てればよいのでしょうか。

適切なコミュニケーションを築く

ワンマン社長の元では、行き過ぎた指示や一方通行のコミュニケーションが発生しがちです。そのためまずは、適切なコミュニケーションを心がけることが重要です。しっかりと意見を伝えつつも相手の話も聞く、感情的にならず冷静に対応することを意識してみてください。特にメールやチャットツールを駆使し、文書での報告・連絡・相談を徹底することで、誤解を防ぐことができるはずです。

客観的なデータを示す

ワンマン社長は自分の直感や経験を重視しがちですが、それらが最善とは限りません。意見や提案をする際には、具体的なデータや事実を交えて説明することで、納得してもらいやすくなります。市場調査のデータや社内の業績分析などを活用し、論理的に話を進めることで、社長の視点を変えるきっかけをつくりましょう。

チームワークを強化する

ワンマン社長の下では、個々の能力が重視されやすいですが、社員全員の協力なくしては会社全体の成功も難しいものです。社内での連携を強化し、チームとしての一体感をもつよう心がけましょう。社員同士のコミュニケーションや協力を促進するイベントやプロジェクトを通じて、強固なチームを作り上げることも対策として有効です。

明るく笑顔で対応する

ワンマン社長は時に厳しい指示を出すことがありますが、そんなときこそ明るく笑顔で対応することが大切です。ポジティブな態度は、職場の雰囲気を和らげるだけでなく、社長にも良い印象を与えることができます。また、他の社員にとってもあなたの対応は励みとなるため、全体的な士気の向上にもつながるでしょう。

圧倒的な成果を上げる

ワンマン社長のもとで働く上で最も効果的な対策の一つは、圧倒的な成果を上げることです。業績を見える形で上げることは、社長の目に留まりやすく、あなたの評価を高めるでしょう。業績目標を明確に設定し、それを超える結果を狙うことが重要です。また、日々の業務の中で効率化を図り、短期間での成果も見せることが求められます。

価値のある社員であることを示す

ただ成果を上げるだけではなく、自分が価値のある社員であることをアピールすることも欠かせません。他の社員やチームとの協力関係を大切にし、頼りにされる存在になることが重要です。たとえば、プロジェクトの進行管理や新人の指導など、多岐にわたる業務をこなし、広く信頼を築いておくことがポイントとなります。

定期的にフィードバックを求める

ワンマン社長の意向を理解するためには、定期的なフィードバックを求めることが有効です。面談やミーティングを通じて、自分の業務についての評価を教えてもらうことで、社長の考えや期待をより具体的に把握してみてください。フィードバックをもとに自己改善を図り、より良い関係性を築くことができるかもしれません。

イエスマンになる

時には割り切ってイエスマンになることも対策の一つ。ワンマン社長は自分の意見を強く押し通す傾向があるため、あえて逆らわずに受け入れることで円滑に業務を進めるケースも多いです。しかし、ただのイエスマンになるのではなく、適度なタイミングで自分の意見も述べることで、社長に信頼される存在となりましょう。

筆者体験:社長の登場から見えた「この会社はダメだ」と感じた瞬間


新卒の頃、地元の一族経営の広告会社の説明会に参加した際の出来事です。人事担当者からの説明が終わり、社長の話を待っていましたが、社長は20分も遅れて登場。まるで映画の主人公のように野球ボールを手で軽く投げながら現れ、謝罪もなく話し始めたのです。その内容は「自分の手足となって働け」という一方的なものでした。
 
社長の退場後、会社に関する質問を人事担当者に投げかけましたが、「社長でないから分からない」との返答ばかり。私はこの時点で強い違和感を覚え、その会社の選考を辞退することにしました。
 
その後、東京の広告代理店で働くことになりましたが、そこでの社長は200名ほどいる社員一人ひとりの名前を覚え、多くの社員から慕われる素晴らしい人物でした。この経験を通じ、社長のふるまいや社員の対応に違和感を感じたら、その会社を避けるのが賢明であると実感しました。

どうしても辛くなったら…


現状の職場環境が改善されない場合、どうしても辛いと感じるようになったら、転職を視野に入れることも一つの選択肢です。求人サイトの活用や転職エージェントの利用を進めてみましょう。特に転職エージェントでは、あなたのスキルや経験に適した新しい職場を見つけるサポートをしてくれるでしょう。重要なのは、自分の健康と幸福を優先することです。逃げることは決して恥ではありません。新しい環境で自分の能力を最大限に発揮できる場所を見つけるために、前向きに行動しましょう。

どんな環境でも自分らしさを武器に乗り越えよう


ワンマン社長を変えることは容易ではありません。もしそのような社長の下で働くことになったら、まずは社長の特徴を理解することが重要です。ワンマン社長の行動パターンや決定の傾向を把握し、適応する方法を見つけましょう。適切に対処することで、自分のストレスを軽減し、より良い職場環境を築くことができるはずです。最終的には転職という方法もあるので、まずは自分が無理なくできる範囲で対策に取り組んでみましょう。
 
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
 
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