コラム

「配属ガチャ」に外れてしまったら?対処方法と逆境を乗り越えるキャリアパスの描き方

新卒入社時や部署異動の際、自分の希望していない部署や自分と合わない部署に配属されてしまう。こうした状況を風刺した言葉が「配属ガチャ」です。ガチャポンやくじ引きのように自分の意志に関係なく運で結果が決まってしまう理不尽さを表しています。

この言葉が流行っているのは、多くの若手社員が理不尽な人事異動に遭い、将来への不安を抱えているからでしょう。「仕事が多すぎてこんな部署にい続けられない」「全く関心のない仕事を無理やりさせられるのは苦しい」などの思いを募らせ、会社に対する愚痴や不満が高まっているのです。

そこでこの記事では、そんな「配属ガチャ」に外れてしまった若手社員の皆さんに向けて、社会人生活を上手に乗り越えていく方法を解説します。具体的な対処法や進路の進め方を把握して社会人生活をサバイブしましょう!

なぜ「配属ガチャ」が起こるのか


配属が思わしくない結果に終わってしまう理由はどこにあるのでしょうか。まずは人材配置の目的や人事に起こりがちな課題などを理解することで、「配属ガチャ」が起きてしまう背景を把握しましょう。

本来、人事ローテーションには目的がある

新卒入社時や定期的な異動の際に行われる人事ローテーションには、必ず会社側の狙いがあります。単なる人員のシャッフルではありません。計画的な人材育成、中複数分野でのスキル習得など、さまざまな意図があることを理解しましょう。

人材の最適配置は難しい

ただし、理想的な人員配置を実現するのは至難の業です。個々の適性や希望、部署の人員状況、プロジェクト動向など、総合的に勘案しなければならない要素が多岐にわたります。また、会社側が各社員の適性や志向を正確に把握・管理していない場合も、配属ガチャの原因の一つです。

公平性の確保への配慮が行き届かない

本来、人材配置は属性によって有利・不利が生じないよう、公平性の確保にも細心の注意を払うべきものです。ですが、年功序列の文化が強く残っている会社の場合は、スキルや業績を見ずに人材配置が行われることも多いのが事実です。

配属先が合わなかった場合の対処法


配属先が自分の希望と異なり、仕事への意欲を失ってしまった場合はどう対処すればよいのか。解決策を探っていきましょう。

正直な気持ちを受け入れる

「やりたかった仕事と違う仕事をしなければいけない」と落ち込んだり、「他の部署はもっと仕事が楽そうで羨ましい」と嫉妬の念に駆られたりするのは自然な反応です。そうした気持ちを無理に否定しようとしないことが大切です。感情を手放すよりも、認めた上で上手に処理することが賢明です。

同僚や上司に打ち明ける

「ここの部署では自分のやりたいことに挑戦できない」「今の部署は自分に合わないのではないか」といった本音を、同期の仲間や先輩社員、上司に伝えてみるのもひとつの手です。同じことを思っている仲間が見つかるかもしれませんし、上司にアプローチすることで人材配置を再検討してくれる可能性もあります。

まずは配属された部署でスキルを身につける

異動願いを提出しても、すぐに希望通りの配置や対応が行われることは滅多にありません。まずは配属先でスキルを身につけることに専念しましょう。知識や経験の吸収に積極的になれば、それが異動や転職の武器になるはずです。今の部署に魅力が感じられなくても、着実に経験を積むことは必ずプラスになります。ただしあまりにも業務量が多い、ハラスメントが横行している、などの問題が部署に起きている場合はその限りではありません。人事部に相談して対応を願い出ましょう。

求められている仕事で成果を出す

会社にはあなたを採用した理由があります。今の部署が本来やりたかった仕事でなかったとしても、まずは目の前の仕事に専念し結果を出しましょう。もし今の会社で将来的にやりたい仕事があるのであればなおさらです。何も成果を出さないうちに異動の希望を出すと、人事評価に響く恐れさえあります。まずは求められていることで成果を出し、社内で一定の評価を得てから異動の希望を出すことが理想のキャリアパスを叶える上では賢明です。

異動の相談をする際のコツ


自分に合わない配属先だと確信が持てた場合、部署異動を検討しましょう。ですが異動を無策に訴えるのは悪手です。ここでは、押さえておくべき注意点を紹介します。

相談の時期を見計らう

異動願いの相談は適切なタイミングを逃さないことが重要です。新入社員の場合、入社直後ではまだ判断を控えるべきでしょう。ある程度の期間が経ち、状況を把握できた頃を目安に動き始めたほうが賢明です。きちんと自分のスキルや現状をアピールできるように準備することも重要です。

キャリアビジョンを明確にする

今の部署が嫌だからといって、次のビジョンがなくては理想的な異動を実現することはできないでしょう。「どこに行きたいのか」「そこでどんなキャリアを歩みたいのか」などの長期的なキャリアビジョンを持っていることが重要です。希望部署との明確な関連性を説明できるよう、準備しておきましょう。

上司・人事部へ具体的に訴える

異動願いは上司や人事部門に進路について相談するのが一般的です。ただし感情的にならず、具体的な事実と論理的根拠を持って説明することが大切です。「なぜこの部署が自分に合わないか」「なぜ異動を希望するのか」を冷静に伝え、お互いのためになるような対話を心がけましょう。

転籍制度の手続きを確認する

企業によっては社内の部門間異動(転籍)を認める制度があります。具体的な要件や申請の手続きなどを確認してみましょう。制度を利用することでスムーズな異動が叶う場合もあります。

前向きな気持ちで理想のキャリアを叶えよう


「配属ガチャ」に外れてしまったからといって「もう終わりだ!」と落胆する必要はありません。冷静な判断力を持って対策を考えることが重要です。理想と現実のギャップに落胆するだけでは前に進めません。
 
自身のキャリアを左右するのは他者ではなく、自分自身の行動です。社員ひとりひとりのキャリアを細かくサポートしてくれる会社はなかなかありません。つまずきながらでも、主体的かつ計画的な行動を続け着実にキャリアをつくり上げていく覚悟が必要不可欠です。
 
「配属ガチャ」に外れたことで、かえって自分の目指したい方向性やキャリアパスが明確になる可能性もあります。キャリアパスをはっきりと描くことができたらそれに向かって具体的な行動を考えることができるでしょう。逆境をバネにして、自分らしい働き方を見つけてください!

【筆者プロフィール】
伊藤鮎
2023年VALUE WORKS入社の編集・ライター。前職は約10年間書籍編集者として勤務。趣味はHIPHOPとメタルコアとKPOPと料理とお酒。
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