コラム

レジリエンスを高める方法とは?注目される背景や回復力の高い人の特徴についても解説

新型コロナウィルスの流行、AI技術の登場など、昨今変化が激しい社会に適応する力として注目されている「レジリエンス」。いつ訪れるかわからない逆境に対し、ポジティブな思考や柔軟性などをもつ人は、高いレジリエンスがあるとして重宝されています。しかしながら、レジリエンスとはなにか、どうやって高めたらよいのか分からない人もいることでしょう。そこで本記事では、レジリエンスの定義をはじめ、注目される背景、高いレジリエンスをもつ人の特徴、レジリエンスが阻害される要因、レジリエンスを高めるための具体的な方法について詳しく解説していきます。変化や困難に対して前向きに、自分の力で乗り越えられるようになりたい人は、ぜひ参考にしてください。

レジリエンスとはなにか


本来は心理学の分野でよく使われる言葉で、「弾力性」「回復力」「しなやかさ」を意味します。変化の激しい現代社会では、人生やビジネスの場においても、ストレスを乗り越え、困難な状況から立ち直る力が欠かせません。レジリエンスを高めることで、ピンチをチャンスに変え、自身の成長につなげることが求められています。

レジリエンスが注目される背景


レジリエンスが注目される背景にはいくつかの要因があります。以下、レジリエンスが重要視される主な理由について詳しく見ていきましょう。

現代社会の複雑化と不確実性の増大

技術革新やグローバル化が進み、社会構造や価値観が多様化する中で、私たちを取り巻く環境は常に変化し、先行きが見通しにくくなっています。複雑で不確実な時代を生きていく上で、変化に適応し、逆境を乗り越えていく力としてのレジリエンスがこれまで以上に重要となることは間違いありません。予測不可能な状況下でも柔軟に対処し、ストレスをポジティブに捉えて成長につなげていく高いレジリエンスが求められます。

メンタルヘルス問題への関心の高まり

近年、うつ病や燃え尽き症候群など、メンタルヘルスの問題による休職者が増加しています。ストレス社会と呼ばれる現代において、心の健康を維持し、困難な状況でも折れない強さをもつことは、もはや欠かせない要素といっても過言ではありません。ストレスに適切に対処し、心理的な回復力を高めるレジリエンスは、メンタルヘルス不調を予防する上で重要な役割を果たすとして注目されています。

高いレジリエンスをもつ人の特徴


では、高いレジリエンスをもつ人には、どんな特徴があげられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

ポジティブな視点がある

大きな特徴として、ポジティブな視点をもっていることがあげられます。ポジティブといっても単に「明るい見方をする」という意味ではありません。高いレジリエンスをもつ人は、問題や困難を前にしても、自己改善や自己成長の契機ととらえ、問題や困難の中に隠れた意義や新たな可能性を見つけ出すことができます。

柔軟性がある

高い柔軟性があることも特徴のひとつです。新しい環境や状況への適応、変化への迅速な対応が求められるとき、高いレジリエンスをもつ人はかたくなな思考や行動のパターンに囚われず、臨機応変に動くことができます。

自己効力感が高い

高いレジリエンスをもつ人は、自分の行動が成功や問題解決に直接影響を与えると確信できる自己効力感が高いです。どんなに困難な状況においても、自分の力で状況を変えられると信じられることで、逆境を乗り越える力を引き出しています。

社会的なつながりを大切にしている

社会的なつながりを大切にするという特徴もあります。高いレジリエンスをもつ人は、人間関係を深めたり、他人から学んだりすることを恐れません。また、他人のために自らの経験や知識を共有し、成長もサポートします。他者と良好な関係を構築することで、困難な状況下におかれても、助け合い、乗り越える術を身につけているのです。

余計なストレスや悲観的な思考にとらわれない

高いレジリエンスをもつ人は、余計なストレスや悲観的な思考に引きずられることがありません。困難な状況に直面したとしても、ストレスや負の感情に打ち負かされることなく、冷静さを保つと同時に自己調整する能力をもっています。また、失敗や困難を受け入れる力と、経験から学んで成長する力もあるため、基本的にへこたれることがありません。

レジリエンスを阻害する要因


上述したような「高いレジリエンスをもつ人になりたい」と思っても、自身の状態や周囲の環境によって阻まれてしまう場合があります。以下、具体的な要因について、詳しく見ていきましょう。

ネガティブ思考

物事を悲観的、否定的に捉える思考が習慣化されてしまっていると、レジリエンスを阻害する大きな要因となります。具体的には失敗を恐れるあまり、新しいことにチャレンジすることを避けたり、小さな挫折で簡単に諦めてしまう癖がある場合は注意が必要でしょう。また、自分自身を過度に批判したり、他者と比較して自信を失ったりなど、ネガティブな思考に支配されてしまうと、建設的に問題解決することが困難になります。

社会的孤立

他者とのつながりをもたず、社会的に孤立している状態も、レジリエンスを低下させる要因のひとつです。困難な状況に直面したとき、一人で抱え込んでしまうとストレスが増大し、問題解決が難しくなります。また、社会的な支援やフィードバックを得る機会が限られるため、適切な対処方法を見出せなくなるリスクも発生するでしょう。

過度なストレス

慢性的で過度なストレスも、心身の健康を損なうためレジリエンスを低下させる要因です。長期間にわたるストレスは、身体的・精神的な疲労を蓄積させ、問題解決能力や適応力を低下させます。また、ストレスによって思考が混乱したり、感情のコントロールが難しくなったりすることで、冷静な判断力が損なわれ、小さな挫折でも大きなダメージを受けやすくなってしまうでしょう。

柔軟性の欠如

固定観念にとらわれ、既存の方法に固執する傾向が強いと、状況の変化に適応することは難しいです。柔軟性が欠如すると、問題解決の選択肢が狭まるため、困難な状況からの脱却も遅れがちになります。レジリエンスを高めるためには、物事を多角的に捉え、変化を前向きに受け止める柔軟な心の在り方が求められるでしょう。

自己効力感の低さ

自分の力を信じられない人は、困難な状況に直面したとき、簡単に諦めてしまったり、問題から逃避したりしがちです。新しいことにもなかなかチャレンジしないため、自分に自信をもてず、ストレスの対処能力が低下します。

レジリエンスを高める具体的な方法


では、これからレジリエンスを高めるためには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

マインドフルネスの実践

マインドフルネスは、今この瞬間に意識を向け、自分の思考や感情を観察する 心理的過程を指します。レジリエンスを高めるためには、自分の内面を見つめ、ストレスや困難な感情を客観的に捉える力が欠かせません。マインドフルネス瞑想などを通じて、思考や感情をコントロールする力を養うことがおすすめです。また、マインドフルに日常生活を送ることで、小さな幸せや成功体験に気づき、ポジティブな感情を育むこともできるでしょう。自分自身と向き合い、内面の力を高めることで、レジリエンス向上を実現してください。

問題解決スキルの向上

問題解決能力を高めることは、自身のレジリエンスを強化する上で重要です。困難な状況に直面したとき、問題の本質を見極め、適切な解決策を見出せるようになるため、意識的に取り組んでみてください。また、問題を複数の視点から捉えられるようになると、創造的な発想を生み出すことも可能になります。柔軟な思考力を養い、問題解決の選択肢を広げることで、困難な状況にも効果的に対処できるような人になりましょう。

社会的なつながりの強化

家族や友人、同僚など、周囲の人々との良好な関係を築くことは、レジリエンスを高める上でも欠かせません。困ったときに助けを求めたり、悩みを打ち明けたりできる相手がいることは、大きな心の支えになります。また、他者とのコミュニケーションを通じて、新しい視点や発想を得ることもできるため、積極的に人々と交流し、自身のネットワークを広げていくことが大切です。

自分自身に対する理解の深化

自分自身の強みと弱みを理解し、受け入れることは、レジリエンスを高める上で重要な基盤となります。自分の感情を適切に認識し、コントロールする力を養いましょう。また、失敗や挫折を恐れるのではなく、成長のチャンスと捉える姿勢も大切です。自分自身を肯定的に受け止め、自信を持って前に進んでいくことができれば、困難な状況にも立ち向かう勇気が自然と生まれてくるはずです。

人生の意味や目的の追求

自分の人生に意味や目的を見出すことは、レジリエンスを高める上で大切な要素です。困難な状況に直面したときも、自分の価値観に基づいて行動し、より大きな目標に向かって前進し続けましょう。自分にとって大切なものは何か、どのように生きていきたいのかを明確にすること。他者への貢献や社会とのつながりの中に意味を見出すことが、逆境に立ち向かう原動力となるはずです。

レジリエンスを高め、変化や試練を乗り越えよう


困難な状況でも自分の力を信じて立ち向かえる力となるレジリエンス。今もっていなくても、自己理解を深め、プラスの思考をもって行動し続けることで、育むことができます。これからの人生や仕事において、誰しもが困難や試練に出会うはず。そんなときこそ、自分の力を信じて困難を乗り越えられるように、ちょっとした意識の変化からはじめてみませんか。
 

【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
 

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