日本のユニコーン企業とは?成長の背景と日本の代表企業、働くメリット、求められるスキルについて紹介
ユニコーン企業とは?
評価額が10億ドル以上で設立10年以内になる未上場のベンチャー企業のことを指します。シリコンバレーのベンチャーキャピタリストであるアイリーン・リーが2013年に提唱してから、広く知られるようになりました。ユニコーンという神話上の生き物に例えられるように、ユニコーン企業はビジネスの世界において非常に希少で特異な存在として位置づけられています。
世界でユニコーン企業が増えている背景
世界でユニコーン企業が増えている背景には、何があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
投資環境の充実
はじめに、投資環境の大幅な改善があげられます。以前はリスクを恐れる投資家が多かったのですが、現在では高リターンを求めてリスクをとる投資家が増えています。そのため、革新的なアイデアをもつスタートアップ企業が大規模な資金調達を得やすくなり、急成長の原動力となっています。
テクノロジーの進化
テクノロジーの急速な進化もユニコーン企業の誕生を後押ししています。AIやIoT、ブロックチェーンなど新しい技術が日々開発・普及されていることで、スタートアップ企業による新たな市場の開拓やビジネスモデルの創造が可能になっています。
グローバル市場の拡大
グローバル市場の拡大もユニコーン企業増加の大きな要因のひとつです。インターネットの普及により、企業は国境を越えて商品やサービスを提供できるようになりました。グローバル市場が拡大されることで、新たな顧客基盤が築きやすくなり、急激な成長が可能となっています。
エコシステムの成熟
エコシステムの成熟も見逃せません。インキュベーターやアクセラレーターからの支援が充実してきたことから、起業家がスムーズに事業を立ち上げ、成長を促進できる環境があることも、世界でユニコーン企業が増えている要因の一つです。
政府のサポート
各国の政府がスタートアップ支援に力を入れていることも要因にあげられるでしょう。税制優遇や補助金、法規制の緩和など、政府の多岐にわたるスタートアップ支援策が起業家を後押ししているため、ユニコーン企業の育成が進んでいます。
日本を代表するユニコーン企業一覧
実際に、日本のユニコーン企業にはどんな企業があるのでしょうか。以下。詳しく見ていきましょう。
株式会社Preffered Networks
深層学習やロボティクスなどの最先端技術を活用し、実世界の課題解決を目指す日本の企業です。2014年に設立され、製造、輸送、ライフサイエンスなど多岐にわたる分野で革新を推進しています。独自のディープラーニングフレームワークや専用プロセッサーを開発し、AI技術の実用化を迅速に進めているだけでなく、教育やエンターテインメント分野でも技術応用を拡大しているのが特徴です。
株式会社スマートニュース
2012年に設立された日本のニュースアプリ企業です。ユーザーにパーソナライズされたニュースを提供し、政治、経済、エンターテインメント、天気、地域情報など、多岐にわたるジャンルのニュースを提供しています。さらに、アプリにはクーポンや天気予報などの便利な機能も備えているため、信頼性と利便性を兼ね備えたニュースプラットフォームとして国内認知度の高い企業の一つです。
株式会社SmartHR
2013年に設立された日本の企業で、労務手続きの効率化を目指したクラウド型人事管理ソフトウェアを提供しています。企業の人事部門が行う煩雑な手続きをデジタル化し、労働契約、給与計算、社会保険の手続きなどを簡素化することが高く評価され、数多くの企業で導入が進んでいます。
Spiber株式会社
2007年に設立された日本のバイオテクノロジー企業で、環境に優しい新素材の開発を手がけている組織です。独自の「Brewed Protein™」技術を用いて、クモの糸などのタンパク質素材を発酵技術で生成し、持続可能な製品を創出しています。
Playco
世界初のインスタントプレイゲーム会社として、アプリのダウンロードなしで誰でもすぐにプレイできるゲームを開発している企業です。革新的なゲーム技術を駆使し、ソーシャルメディアプラットフォーム上で人々をつなげることを目指す姿が評価され、多くのユーザーに支持されています。
Opn
シームレスなデジタル決済ソリューションを提供する企業です。オンライン支払い、モバイルウォレット、QRコード決済など多様な決済方法を統合し、企業と消費者の間の取引を円滑にしています。
Go株式会社
日本のモビリティ産業を革新することを目指し、さまざまなITサービスを提供している企業です。代表的なサービスとして、タクシー配車アプリ「GO」があります。また、EV充電スポットの提供やライドシェアサービスの展開など、持続可能な社会を実現するための取り組みも行っています。
ユニコーン企業で働くメリット
上述したようなユニコーン企業で働く場合、他企業と比較してどんなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
成長可能性が高い
ユニコーン企業は急成長を遂げている企業がほとんどです。そのため、高い成長可能性が期待できます。働く人々も企業と共に成長し、新しいチャンスを掴む機会が増えるでしょう。早期に会社に加わることで、リーダーなどの管理職ポジションに就くチャンスも得やすくなる可能性もあります。
先進的な技術やプロジェクトに関れる
ユニコーン企業では、最先端の技術やユニークなプロジェクトに触れることができます。革新的なアイデアや新しい技術に興味がある方にとっては、とても魅力的な環境といえるでしょう。また、プロジェクトの多くは世界的な影響力をもつため、自分の仕事がどのように社会に貢献しているのかを実感できるはずです。
ストックオプションや高額報酬が期待できる
多くのユニコーン企業では、給与に加えてストックオプションやボーナスといった報酬も提供されます。そのため、会社の成功に伴って自分自身も経済的な恩恵を受けることができるでしょう。ユニコーン企業の株価は急上昇しやすいため、将来的には大きな見返りも期待できるかもしれません。
職場環境がダイナミックで刺激的
ユニコーン企業は一般的にダイナミックでスピード感のある職場環境である場合が多いです。そのため、日々の業務を通じて、高いモチベーションを維持することができるでしょう。また、フラットな組織構造やオープンなコミュニケーションが奨励されるため、自由に意見を述べられる風通しの良さもあるはずです。
キャリアアドバンテージ
ユニコーン企業での経験は、あなたのキャリアにおいて大きなアドバンテージとなります。大手企業や他のスタートアップ企業での評価が高まるだけでなく、自分のスキルセットを大きく広げることができるでしょう。将来的な転職やキャリアアップの際に、周囲と比較して有利な経歴としてアピールすることができます。
ユニコーン企業で働くにあたって必要なスキル
ユニコーン企業で働くにあたって、必要なスキルには何があげられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
技術スキルの高さ
ユニコーン企業の多くが最先端の技術を駆使しています。そのため、業務に関連のある技術スキルは不可欠です。プログラミング、データサイエンス、サイバーセキュリティなど、具体的な専門知識が求められるため、自ら学び続ける姿勢が大切です。
高いコミュニケーション能力
チームでの協力が求められるユニコーン企業では、高いコミュニケーション能力も重要です。リモートワークが増える中で、オンラインでも円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。
柔軟な思考と適応力
急速に変化する市場に対応するために、柔軟な思考と適応力も欠かせません。高い成長を遂げるユニコーン企業では、環境やプロジェクトの状況が変わることも頻繁でしょう。そのため、新しい挑戦を楽しみ、変化を積極的に受け入れられる人が活躍できます。
問題解決力
どんな職場でも何かしらの問題が起きることは避けられませんが、特にユニコーン企業では速やかに解決する能力が求められます。問題を迅速に特定し、クリエイティブな解決策を見つける能力は、プロジェクトを円滑に進めるために欠かせません。自ら進んで問題に取り組めるかどうかも重要です。
イノベーションの精神
ユニコーン企業はイノベーションによって成長してきました。そのため、創造力豊かで新しいアイデアを生み出すことができることは大きなアドバンテージとなります。自分のアイデアを情熱的に提案し、実行に移すことができる能力があれば、企業の成長に大いに寄与する人材として、社内でも重宝されるでしょう。
成長性の高いユニコーン企業でキャリアを築こう
現在、日本ではユニコーン企業の数はまだ少ないですが、技術革新の加速やグローバル化の進展に伴い、ユニコーン企業への関心は今後さらに高まることが予想されます。成長性が期待されるユニコーン企業への転職は、自分自身の成長を重視する方にとって価値のある選択となるはずです。ユニコーン企業で働きたいと考える方は、本記事で紹介したユニコーン企業や次にユニコーン企業となる可能性が高い企業を調べ、理想に近い環境でキャリアを築けるように準備をはじめてみてはいかがでしょうか。
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
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