ゆるブラック企業とは?特徴や働き続けるリスク、脱出する方法について解説
ゆるブラック企業とは?
ブラック企業とホワイト企業の中間に位置する企業を指す言葉です。ブラック企業は、労働基準法を無視した過酷な労働条件を課す企業を指します。一方、ゆるブラック企業は、表面的には法的な問題は少なくホワイト企業に見えるものの、昇給やスキルアップが見込めない企業のことを指します。つまり、労働環境に問題はないが、将来性や働きがいのない企業と言えるでしょう。
ゆるブラック企業の特徴
ゆるブラック企業の特徴について、具体的に見ていきましょう。
業務内容が単調で残業が少ない
ゆるブラック企業の特徴として、業務内容がシンプルで単調なことがあげられます。毎日同じタスクを繰り返すだけなので、新しいことを学ぶ機会が少ないです。残業がほとんどないのは魅力的ですが、その分仕事に対するモチベーションが保ちにくくなる傾向があります。
新しいスキルは得られない
新たなスキルや知識を得る機会が少ないため、成長や達成感を感じにくい環境です。長期的なキャリア形成には適していないといえるでしょう。スキルアップや自己成長を望む方には、理想的な環境とはいえません。
昇給がない
給与の昇給がほとんどないことも特徴のひとつです。給与はスタート時のまま、もしくは僅かな増加にとどまることが多いでしょう。そのため、長期間働いても経済的なメリットが少なく、不満が溜まりやすい風潮があります。
優秀な人材がいない
職場に優秀な人材が見当たらないことも、ゆるブラック企業の特徴です。モチベーションが高い人やスキルに優れた人はどんどん離職していくため、組織全体の成長が期待できません。職場の雰囲気も停滞しています。
ゆるブラック企業で働き続けるリスク
ゆるブラック企業で長期的に勤務し続けることには、さまざまなリスクが潜んでいます。具体的にどんなリスクが考えられるのでしょうか。
自己成長のチャンスを失う
上述したように、新しいスキルや知識を身につける機会が少ないため、自己成長のチャンスを逃してしまう恐れがあります。結果として、自分の市場価値が低下することになり、キャリアアップにつながる転職が難しくなることもあるでしょう。
将来的な収入の伸び悩み
昇給や昇進の機会が限られていることが多いため、年齢を重ねていくと収入が横ばい、または伸び悩む現象が発生しやすくなります。長期的な収入の低下は、家族を養ったり、老後の生活を支えたりする上で大きな問題となるでしょう。
モチベーションの低下
成長の機会が乏しい環境で働くことは、日々の仕事に対するモチベーションにも影響します。新しいチャレンジやスキルの習得がなければ、仕事に対する意欲が薄れてしまうでしょう。モチベーションの低下は仕事の質にも影響し、さらなる成長機会を失う悪循環に陥りがちです。
転職の際にアピールできない
ゆるブラック企業での経験は、他の企業に転職する際に不利に働くことが多いです。具体的なスキルや成果を示せない場合、面接で自分を十分にアピールするのが難しくなります。結果として面接官からの評価が低くなり、希望する職種や企業への転職が難しくなることがあるでしょう。
AIに代替されるリスクがある
最近の技術進歩により、AIや自動化によって置き換えられる業務は増加。特にゆるブラック企業での単純業務に従事していると、AIに代替される可能性は高くなるといえます。職を失うリスクが高まるため、再就職も困難になる恐れがあるでしょう。
ゆるブラック企業から脱出する方法
ゆるブラック企業から脱出するには、どんな方法があるのでしょうか。
社内で改善提案や相談をする
まずは現在の職場環境や業務内容を改善するために、具体的な提案や意見を上司や人事部に積極的に伝えるべきです。社員が直面している問題や不満点を明確にし、問題や不満に対する改善策を提示することで、会社全体の業務効率や働きやすさを向上させる試みを行ってみましょう。
成長が見込める企業に転職する
社内改善の提案や相談が実を結ばず、在籍企業があなたの成長を妨げているようであれば、思い切って転職を考えるべきです。新しいチャレンジができ、自分の成長が見込めそうな企業を探しましょう。企業研究を行い、自分の目指す働き方に合った企業を見つけることが大切です。
キャリアカウンセリングを利用する
ゆるブラック企業の環境に浸かりすぎて、自分のキャリアプランを見失ってしまった場合は、キャリアカウンセリングの利用がおすすめです。経験豊富なカウンセラーに相談することで、自身のキャリアパスを明確にし、転職活動やスキルアップの助言を受けることができます。また、自分で気づかない盲点や潜在能力を発掘してもらえるので、現状の問題点を客観的に見つめ直すこともできるでしょう。
キャリアスクールに通う
「転職したいけどスキルが足りない」場合は、特定のスキルや知識を身につけるための教育機関であるキャリアスクールに通いましょう。多岐にわたるコースがあるため、受講することで新しいキャリアの選択肢を広げることができます。また、スキルや知識を身につけることで、より自信をもって転職活動に臨めます。
資格取得をする
資格取得に挑戦することも有効的です。専門的なスキルを身につけることで、転職市場での自分の価値を高めることができるでしょう。特に、自分の興味のある分野や、今後のキャリアに役立ちそうな資格を選ぶことがポイントです。自分の能力の証明にもなるため、転職成功の確率も高められるはずです。
ルーティンワークに埋もれる日々でキャリアが停滞
最近、あるベンチャー企業の営業職を募集するにあたって、取材をさせていただいたAさん。(32歳/女性)。事務職から未経験で入社したものの、入社半年で既にお客さまからの評判も良く、期待の新人ということで参加をしていただきました。
キラキラした笑顔が印象的なAさんに「なぜ異職種である営業職に転職したのか?」と質問したところ、前職の会社が「ゆるブラック企業だったから」とのこと。
最初は安定した職場環境に魅力を感じていたものの、1年以上勤務しても仕事は毎日同じルーティンの繰り返し。書類整理やデータ入力などの単調な業務ばかりで、新しいスキルを身につける機会が全くなかったようです。30代に入り、同年代の友人たちがみんなスキルアップや収入アップをしていくなか、Aさんはスキルもあがらず、収入も入社当時からほとんど変わらない金額。
「このままでいいのか」とモヤモヤと悩む日々が続いていたところで、転職エージェントから紹介を受け、思い切ってジョブチェンジをしたという経緯でした。転職先の会社では、毎年4回も昇給の機会があり、成果は賞与にも反映。現在は資格取得支援制度を活用して、視覚の勉強も進めているそう。「あの時思い切って決断してよかったです!」と素敵な笑顔で話されていました。
ゆるブラック企業を抜け出し、キャリアアップを!
ゆるブラック企業は一見すると働きやすい会社に見えますが、昇給やスキルアップの機会がなく、長く居座ると市場価値を低下させるリスクがあります。「収入をアップしたい」「スキルアップしたい」そんな希望があるならば、今すぐ行動をはじめるべきです。自分の働く環境を見直し、自分が望む働き方を叶えるために何が必要なのかを洗い出しましょう。「今さら遅いかもしれない」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。意欲と努力次第で進む道はいくらでも変えることができます。理想の自分になるために、一歩を踏み出しましょう。
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
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