職業訓練校とは?コース内容や入学条件、受講するメリットと必要な手続きについて解説
職業訓練校とは?
厚生労働省や地方自治体が運営する学校で、新しい技能や知識を身に付けるための場です。失業者、転職希望者、さらにはスキルアップを目指す人々が対象で、実践的な訓練と教育を通じて就職や転職に役立つスキルを習得することができます。多岐にわたる分野のプログラムが用意されているため、未経験の分野へのキャリアチェンジを希望する人や再就職を目指す人にとって有効です。
職業訓練校の種類
職業訓練校には主に2種類あります。それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。
公共職業訓練
国や地方自治体が主導して行う職業訓練です。主に失業者や求職者を対象としており、無料または低額で専門的なスキルを習得することができます。ハローワークを通じて情報が提供されるため、手続きも比較的簡単に済ませることが可能です。
求職者支援訓練
国が指定した民間の教育機関が提供する訓練プログラムです。主に失業手当を受給していない求職者やフリーター、主婦などが対象となります。柔軟なカリキュラム設計が可能で、個人のニーズやレベルに応じた教育を受けることが可能です。
職業訓練校の入学条件
基本的には、年齢や性別に関係なく誰でも入学申し込みが可能です。ただし、一部のコースでは学歴や職歴の要件がある場合もあります。また、人気のあるコースでは選考が行われ、書類審査や面接が必要な場合もあるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
提供されるコース内容
職業訓練校に通う場合、主にどんな分野について学習することができるのでしょうか。具体的なコースの内容について、見ていきましょう。
IT・プログラミングコース
初心者からでもはじめられる幅広いプログラムが用意されています。基本的なプログラミング言語から、Web開発、システムエンジニアリング、さらにはデータサイエンスまで学ぶことが可能です。特に最近注目を集めているAIや機械学習の分野も学ぶことができます。カリキュラムの例としては、PythonやJavaScriptの基本、データベース管理、クラウド技術の理解などがあげられます。
医療・福祉コース
看護助手や介護福祉士、リハビリテーション技師などを目指す人々のために専門知識とスキルを提供しているコースです。介護に関する基本的な知識や具体的な介護技術、医療現場でのマナーなど、実際の現場で即戦力となるスキルや知識を得ることができます。また、医療分野に特化したコースもあるため、救命救急や臨床実践に必要な知識も学ぶことが可能です。
製造業・技術職コース
製造業に必要なスキルを習得することができるコースです。一般的な機械操作をはじめ、CADやCAMの技術も学ぶことが可能です。実際の製造工場で使用される最新の機器や技術を取り入れたカリキュラムや、品質管理や生産管理など製造業全般に必要な幅広い知識を得られます。
ビジネス・事務コース
オフィスワークに必要な幅広いスキルを学べるコースです。具体的には、Excel、Word、PowerPointなどの基本的なパソコンスキルから、経理や簿記、プロジェクト管理の手法まで学習することができます。また、ビジネスマナーやコミュニケーションスキル、マーケティングの基礎も学べるため、さまざまなビジネスシーンで活躍できる人材を目指すことが可能です。
クリエイティブコース
デザイン、映像制作、Web開発など、多岐にわたるスキルを学べるコースです。例えば、グラフィックデザインのコースでは、Adobe PhotoshopやIllustratorの使い方やデザイン理論を学習します。映像制作コースでは、撮影技術や編集ソフトの使い方など、実践的なスキルを習得することが可能です。
職業訓練校を受けるメリット
では、実際に職業訓練を受けることで得られるメリットには、何があげられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
受講料がかからない
職業訓練の大きなメリットの一つは、受講料が無料であることです。多くの職業訓練プログラムは公的資金や助成金によって運営されているため、受講生が経済的な負担を負うことなく質の高い教育を受けることができます。失業中の方や経済的な制約のある方でも安心して参加することが可能です。
資格取得ができる
職業訓練を受けることで、専門的な資格を取得することができます。例えば、ITや介護、製造業など、さまざまな分野で役立つ資格を取得することで、就職活動を有利に進められるようになるでしょう。資格があれば自分のスキルと知識を証明しやすいため、雇用者からの信頼も得やすくなります。
就職支援を受けられる
職業訓練では、ただスキルを学ぶだけでなく、就職支援サービスも提供されます。履歴書の書き方や面接対策、企業とのマッチングなど、就職活動全般にわたる支援を受けることが可能です。独自で取り組むよりも就職成功率をあげられるため、初めての就職や再就職を目指す方にとって、大変心強いサポートとなるでしょう。
給付金を受けられる
職業訓練を受講する際に、給付金を受けられる場合があります。例えば、一定の条件を満たすことで「求職者支援制度」による給付金を受け取ることが可能です。生活費の一部としても利用できるため、経済的な負担が軽減され、訓練期間中も安心して学業に集中することができるでしょう。
職業訓練校に通うための手続き
職業訓練校に通うためには、どのような手続きを踏む必要があるのでしょうか。主な手続きの流れについて見ていきましょう。
必要な書類の準備
職業訓練校に通うためには、いくつかの書類を提出する必要があります。一般的には、履歴書や住民票、証明写真などが求められるでしょう。また、一部のコースでは成績証明書や推薦状が必要となることもありますので、事前に確認し、早めに準備を進めることをおすすします。
申請書の記入と提出
必要書類を揃えたら、次は申請書の記入を行います。申請書は学校によってフォーマットが異なりますので、公式サイトや問い合わせて確認が必要です。記入後、提出方法も確認し、郵送またはオンラインでの提出が可能かチェックしたうえで提出をしましょう。
面接・試験の準備
職業訓練校の多くは、コミュニケーション能力や基礎的な学力を確認するために面接や筆記試験を実施しています。そのため、事前に面接の練習を行い、自身の学ぶ意欲や目標を明確にすることが大切です。また、筆記試験に備えて、基本的な学力試験の対策をすることも忘れずに行いましょう。
合格通知と手続き
試験や面接をクリアすると、合格通知が届きます。期日までに必要な手続きを済ませ、必要な費用を納入することで、正式に入学を確定することができます。また、入学前にオリエンテーションや説明会が開催されることも多いので、忘れずに参加しましょう。
職業訓練で自分の未来を切り拓こう
職業訓練は意欲があれば誰でも受けることができるものです。「転職に必要なスキルがない」と悩む方はもちろん、「自分のキャリアをどう築いたらいいかわからない」という方にも通ってみることをおすすめします。これまでになかった知識や経験を得ることで、新たな道が開けるかもしれません。自分の将来の選択肢を広げるために、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
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【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
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