コラム

ダイバーシティ&インクルージョンで組織力を向上させよう!D&Iの定義やメリット、実践方法を徹底解説

近年、注目を集めているダイバーシティ&インクルージョン(D&I)。多様性を受け入れ、活かす組織は従業員の満足度が高く、市場への適応能力が強化される傾向にあります。ビジネスをさらに加速させるために、D&Iの推進を検討している経営者や人事担当の方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、D&Iの実践方法や具体的なステップを定義やメリットとあわせて解説します。

ダイバーシティとは


D&Iの実践方法について解説する前に、まずダイバーシティ&インクルージョンの定義について確認しておきましょう。まずダイバーシティとは、様々な背景や経験、視点を持つ人々の違いを認識し、受け入れ、尊重する考え方や取り組みを指します。そこには年齢、性別、人種、宗教、性的指向、障害の有無など、目に見える特徴だけでなく、価値観、スキル、経験などの見えない特徴も含まれます。
 
近年のビジネスにおいて、ダイバーシティは単なる道徳的価値や社会的責任を超えて、経済的な価値としての側面も強く持つようになっています。その理由について見ていきましょう。

革新的なアイデアが生まれる土壌ができる

多様な背景を持つ人々が集まることで、多角的な視点からの意見が集まりやすくなります。その結果、新しい解決策や革新的なアイデアを生み出す土壌となり、企業の競争力を高める要因となります。

変化する市場やニーズに迅速に対応できる

グローバル化が進む現代において、様々な背景や価値観を持つ消費者に対応するためには、それらを理解する多様な従業員が不可欠です。ダイバーシティを持つ組織は、市場の変化やニーズに迅速に対応することができます。

従業員の満足度が向上する

ダイバーシティを尊重し、多様性を包括する環境を提供する企業は、従業員の満足度やロイヤリティが高まり、リテンション率の向上や採用活動にもポジティブな影響をもたらします。

インクルージョンとは


続いてインクルージョンの定義についても確認しておきましょう。インクルージョンとは、組織内のすべての個人が受け入れられ、活躍できる環境を確保する取り組みを指します。単に多様性を持つ人々を組織に取り込むだけでなく、それぞれの違いを資産として活用する。そして、全員が平等に意見やアイデアを共有し、成果を上げられる文化を築くことを意味します。昨今のビジネスシーンでインクルージョンの重要性が高まっている理由について、詳しく見ていきましょう。

組織のパフォーマンスが向上する

インクルージョンが実現されると、従業員は自分の意見やアイデアを自由に表現できるようになります。その結果、チームや組織全体のパフォーマンス向上につながります。

従業員の満足度が向上する

インクルーシブな環境は、従業員のモチベーションや所属意識を高め、結果として離職率の低下や生産性の向上をもたらします。

ハラスメントや差別のリスクが低減する

組織内での差別や偏見がなくなることで、ハラスメントや差別に関連するリスクを減少させることができます。

ダイバーシティとインクルージョンの違い

ダイバーシティは「違い」を持つこと、つまり、様々な背景や特性を持つ人々が存在することを指します。一方、インクルージョンはその「違い」をどのように組織内で扱うか、すなわち、多様性を持つ人々が組織内でどれだけ活躍し、参加し、価値を持てるかを重視します。ダイバーシティは「存在」、インクルージョンは「環境や文化」に焦点を当てています。

ダイバーシティだけを追求しても、それを活かす文化や環境が整っていなければ、真の組織の強化や成果は得られません。インクルージョンは、多様性を真の力として活かすための鍵となるのです。

D&Iを実践するための7つのステップ


ではD&Iを実践してビジネスを加速するためにはどうすればいいのでしょうか。7つのステップに分けて解説します。

ステップ1:意識の共有

組織全体の方向性が定めるために、経営層やリーダーシップチームがD&Iの重要性を理解し、全社的なミッションとして共有します。

ステップ2:現状分析

どのような取り組みが必要か、優先すべき課題を明確にするために、組織内の多様性の現状や、従業員の意識・態度を調査・分析します。

ステップ3:目標設定

現状分析を基に、具体的なD&Iの目標を設定します。例えば、女性リーダーの割合を一定数増やす、障害者雇用の拡大など、数値目標を含めて明確にします。

ステップ4:アクションプランの策定

リクルートメント戦略の変更、研修・教育プログラムの導入、フレキシブルな勤務体系の検討など、目標に向けての具体的な行動計画を策定します。

ステップ5:目的とアクションプランを共有する

D&Iの取り組みは、組織全体の理解と支持が必要です。経営層からフロントラインの従業員まで、目的とアクションプランを明確に伝え、理解を深めるためのコミュニケーションを繰り返します。

ステップ6:実践してPDCAを回す

アクションプランに基づき、具体的な取り組みをスタートします。PDCAサイクルを回し、継続的な改善を目指すことが重要です。

評価とフィードバック

定量的なKPIだけでなく、従業員からのフィードバックや意識の変化も含め、一定の期間ごとに取り組みの結果を評価します。その結果をもとに、次のアクションプランの修正や改善を進めていきます。

継続的なD&Iで強い組織をつくろう


D&Iは単に企業の社会的責任を果たすためのアプローチではありません。組織の革新、競争力の向上、持続的な成功を支える基盤となる組織文化の核心です。現代のビジネス環境は、多様性の中に新しい価値や機会を見出す能力を求めています。D&Iはその要となる戦略と言えるでしょう。
 
D&Iを組織のDNAにするためには、経営層の強いリーダーシップと継続的な取り組みが不可欠です。D&Iは一度の取り組みやプロジェクトで完了するものではありません。組織の持続的な成長と進化の一部として、日々の業務の中で継続的に取り組むべきです。企業の未来を切り拓くD&Iの第一歩を踏み出し、組織の真のポテンシャルを引き出すための道筋を築く勇気を持ちましょう。あなたのリーダーシップが、組織の未来を明るく照らす一筋の光となるでしょう。
 
文:VALUE WORKS編集部
 
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