OKRとは?概念やメリット、導入・設定方法、実践のコツを紹介
OKRとは
OKRはインテル社CEOのアンディ・グローブ氏が開発し、後にGoogle社のジョン・ドーア氏によって洗練された目標管理手法です。OKRはObjective(目標)とKey Result(主要な結果)の2つの要素で構成されます。Objectiveは組織や個人が達成したい大きな目標を表し、通常は3ヶ月から1年の期間で設定されます。一方、Key ResultはそのObjectiveを達成するために必要な具体的な成果を表します。Key Resultは測定可能で、達成度が評価できるものでなければなりません。
OKRは通常、四半期ごとにサイクルを回します。まず、組織全体のObjectiveを設定し、それを踏まえて各チームや個人がObjectiveを設定します。次に、それぞれのObjectiveに対して、3〜5個のKey Resultを設定します。四半期の間、各チームや個人はKey Resultの達成に向けて取り組み、定期的にレビューを行います。四半期末には、Objectiveの達成度を評価し、次の四半期のOKRを設定します。
OKRが注目される背景
昨今、グローバル化やテクノロジーの進歩により、企業は激しい競争にさらされており、迅速な意思決定と実行力が求められています。また、多様な人材が協働するために、組織の目標と個人の目標を連動させ、透明性を高めることが重要になっています。
こうした中、OKRはシンプルでありながら強力な目標管理手法として注目されています。OKRは組織のゴールと個人の目標を連動させ、目標の進捗状況を可視化しながらチーム間のコラボレーションを促進します。
さらに、OKRを導入することで従業員のエンゲージメントを高める効果もあります。自分の目標設定に関与することで仕事への意欲や責任感が高まり、能動的に目標達成に取り組むようになります。
Googleやインテルなどの先進企業で導入され、成果を上げてきたOKRは、多くの企業から注目を集めています。変化の激しい時代に、組織と個人のパフォーマンスを最大化するための有効な手法として、OKRへの期待が高まっているのです。
OKRを導入するメリット
OKRを導入することで、組織には大きく3つのメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
組織のゴールと個人の目標を連動できる
OKRはトップダウンとボトムアップのアプローチを組み合わせることで、組織全体の目標と個人の目標を連動させます。導入することで全員が同じ方向を向いて、組織の目標達成に向けて努力することができるのです。
透明性と協働が促進される
OKRでは全員の目標が可視化され、共有されます。これにより、他のチームや個人の目標を理解し、協力し合うことができます。また、定期的なレビューを通じて、進捗状況や課題を共有し、必要な支援を得ることができます。
従業員のエンゲージメントが向上する
OKRでは、個人の目標設定に従業員自身が関与します。自分の仕事に対する意欲や責任感が高まるので、能動的に目標達成に取り組むようになる効果も。目標達成時には達成感を得ることができ、モチベーションの向上にもつながります。
OKRの設定方法
OKRを効果的に運用するためには、適切な目標設定が不可欠です。まず、Objectiveは、シンプルで明確、かつインパクトのあるものにします。Objectiveは、組織や個人が情熱を持って取り組めるものであり、達成すれば大きな成果が得られるものでなければなりません。
次に、Key Resultは具体的で測定可能なものにします。Key ResultはObjectiveを達成するための重要な成果指標であり、数値化できるものが望ましいです。Key Resultは達成可能でありながらも、少し背伸びが必要なレベルに設定します。
OKRの設定に当たっては、トップダウンとボトムアップのバランスを取ることが重要です。組織全体のObjectiveを踏まえつつ、現場の意見を取り入れることで、実現可能性の高いOKRを設定することができます。
OKRの浸透と定着のための施策
OKRを組織に浸透させ定着させるためには、いくつかの施策が必要です。
まず、OKRに関する教育と研修を行います。OKRの基本概念や設定方法、レビューの進め方などについて、全員が理解できるようにします。また、OKRの意義や期待される効果について、経営層から積極的に発信します。
次に、OKRを支援する社内制度を整備します。OKRの達成度を評価に反映させたり、達成時には報酬を与えたりすることで、従業員のモチベーションを高めることができます。また、OKRの進捗状況を確認するための定期的な面談の場を設けることも効果的です。
さらに、OKRの浸透度合いを測定し、改善につなげていくことが重要です。従業員アンケートを実施したり、OKRの達成率を追跡したりすることで、OKRの効果を定量的に把握することができます。
OKRを成功に導くためのコツ
OKRを成功に導くためには、いくつかのコツがあります。具体的に解説します。
適切な目標設定
Objectiveはシンプルで明確かつインパクトのあるものにし、Key Resultは具体的で測定可能なものにします。また、トップダウンとボトムアップのバランスを取ることで、実現可能性の高いOKRを設定することができます。
OKRミーティングの効果的な運営
OKRミーティングでは、進捗状況の共有や課題の議論を行います。ミーティングでは、建設的な議論を心がけ、課題解決に向けて協力し合うことが重要です。また、ミーティングの頻度や時間は、チームの状況に合わせて適切に設定します。
OKRの達成度を評価と報酬へ反映する
OKRの達成度は、公平かつ客観的に評価されなければなりません。また、達成度に応じて、報酬や昇進などに反映させることで、従業員のモチベーションを高めることができます。ただし、過度な報酬の強調は、かえって目標達成を阻害する可能性があるため、バランスを取ることが重要です。
OKRと他の目標管理手法の比較
OKRはMBO(目標による管理)やKPI(重要業績評価指標)など、他の目標管理手法と比較されることがあります。
MBOは上司と部下が協議して目標を設定し、達成度を評価する手法です。MBOは個人の目標設定に重点を置くのに対し、OKRは組織全体の目標と個人の目標の連動を重視する点が異なります。
KPIは組織の重要な業績指標を設定し、その達成度を追跡する手法です。KPIは組織の全体的なパフォーマンスを測定するのに適しているのに対し、OKRは組織の目標達成に向けた個人の行動を促進することに重点を置いています。
OKRはMBOやKPIと組み合わせて利用することもできます。例えば、KPIで組織全体のパフォーマンスを測定しつつ、OKRで個人の目標設定と達成を促すことで、より効果的な目標管理が可能になります。
OKRを通じて組織と個人の目標達成力を高めよう
OKRは組織のゴールと個人の目標を連動させ透明性と協働を促進することで、目標達成力を高める効果的な目標管理手法です。OKRを導入することで組織と個人のパフォーマンスを最大化し、ビジネスの成功を実現することができるでしょう。
ただし、OKRの導入には、適切な目標設定や運用、評価が不可欠です。また、OKRを組織に浸透させ定着させるためには、トップのリーダーシップと従業員の理解と協力が必要です。
OKRに関する理解を深め自社に適した形でOKRを導入・運用することで、組織と個人の目標達成力を高め、ビジネスの成功を実現していきましょう。
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