コラム

ハイブリッドワークとは?メリットや導入時のステップ、注意点について解説

テレワークの導入が急速に進んでいる昨今。業務内容によっては対面の方が効率的な場合もあり、オフィスワークの重要性も再評価されつつあります。そこで注目を集めているのが、オフィスワークとテレワークの両方のメリットを組み合わせたハイブリッドワーク。今回は、そんな多様な働き方を実現する手段の一つであるハイブリッドワークについて、概要やメリット、導入のステップ、成功のためのポイントについて解説します。これからハイブリッドワークの導入を検討している人事や経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

ハイブリッドワークとは?


従来のオフィス勤務とテレワークを組み合わせた働き方のことです。週に数回ほど特定の日にオフィスで働き、他の日は自宅やカフェなどの環境で仕事を行うことで、従業員の柔軟な働き方を実現できます。特に昨今のパンデミックをきっかけに、今では多くの企業がハイブリッドワークを導入しています。

ハイブリッドワークのメリット


企業がハイブリッドワークを導入することで得られるメリットには、何があげられるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

生産性の向上

自宅で集中して取り組む日と、オフィスでメンバーとコミュニケーションを取りながら勤務する日を設定することで、業務に合った環境で仕事ができるようになります。最適な環境で働けることは生産性のアップにつながるでしょう。また、通勤の必要が減ることから、通勤に使っていた時間を有効に使えるようになるのも、生産性向上に寄与します。

従業員の満足度向上

オフィスワークだけではなく、自宅でできるリモートワークが入ることで、従業員は仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。家族との時間や自己啓発のための時間をもちやすくなるため、従業員の満足度も上がり、結果的に仕事へのモチベーションも高めることができます。

オフィススペースを有効活用できる

ハイブリッドワークの導入により、オフィススペースの有効活用も可能になります。従業員の出社が分散されるため、オフィスの物理的なスペースをより効率的に使うことが可能です。必要な会議室や作業スペースを確保しやすくなる一方で、不要なスペースを削減できるため、コストの削減にもつながるでしょう。

優秀な人材を確保できる

リモートワークが含まれることで、地理的な制約を受けにくくなるため、多様な人材を確保することが可能になります。また、柔軟な働き方を求める現代の求職者にとって、ハイブリッドワークが導入されているかどうかは応募理由にもなるため、より優秀な人材も確保しやすくなるでしょう。

企業の競争力向上

ハイブリッドワークの導入によって従業員の満足度と生産性が向上することで、企業全体のパフォーマンスも向上します。そのため、企業の競争力を向上し、持続可能な成長を実現することが可能です。

ハイブリッドワークのデメリット


一方で、デメリットもいくつかあげられます。以下、詳しく見ていきましょう。

対面で会話する機会が減少する

ハイブリッドワークを導入することで、オフィスにいる社員とリモートで働く社員が混在するため、直接対話をする機会が減少します。そのため、意思疎通の不足や誤解が生じやすくなり、チーム全体の連携が取りづらくなることも。また、オンラインでの会議やチャットツールでは細かなニュアンスの伝達が難しい場合もあります。

孤独を感じる恐れがある

リモートで働く場合、社員が孤立感を感じることがあります。オフィスで働いている時には同僚との雑談やランチタイムなど、自然とリフレッシュができる時間がありますが、リモートワークではそのような機会が少なくなるため、精神的な負担が増してしまうことも。孤立感はモチベーションや生産性の低下にもつながりかねません。

人によってはパフォーマンスが下がる

ハイブリッドワークでは、各社員の生産性がばらつくことがあります。リモートでの働き方に慣れていない人や、集中しにくい環境で働いている人は生産性が低下することもあるでしょう。また、オフィスにいる社員との間での業務の進行度や効率に差が出ることも考えられます。

セキュリティリスクが高まる

リモートワークが増えることで、セキュリティリスクも高まります。特に、自宅での作業環境が整っていない場合や、公共のWi-Fiを利用する場合などは情報漏洩のリスクが増大してしまうでしょう。セキュリティ対策を徹底するために、コストと時間を必要とする場合もあります。

ハイブリッドワークの導入の5つのステップ


実際にハイブリッドワークを導入するには、どのようなステップで進めたら良いのでしょうか。以下、詳しく見ていきましょう。

ステップ1:目的と目標の設定

はじめに、目的と目標を明確にすることが重要です。目的と目標を明確にすることで、従業員に対しどんな働き方を求めるべきかがみえてくるでしょう。さらに、ハイブリッドワークがビジネスの成長や従業員の満足度向上にどのように貢献するかを具体的に示すことで、全員が一丸となって取り組むことができます。

ステップ2:インフラの整備

次に、ハイブリッドワークを支えるためのインフラを整備する必要があります。信頼性の高い通信環境、セキュリティ対策、そしてリモートアクセスツールなどを用意してください。また、新しいツールやシステムを導入するだけではなく、十分なトレーニングを行うことも大切です。従業員が安心してオフィス街でも業務に取り組めるよう、しっかりと環境を整えてあげましょう。

ステップ3:コミュニケーションのルール作り

ハイブリッドワークの導入において、従業員間のコミュニケーションを維持するためのルール作りも欠かせません。例えば、ミーティングの定例化や、報告・連絡・相談のルールを明確にすることが重要です。また、オンラインのコミュニケーションツールを活用し、情報共有の場も決めておきましょう。

ステップ4:業務プロセスの見直し

ハイブリッドワークを取り入れる際には、従来の業務プロセスを見直し、新しい働き方に適した形に再設計することも求められます。必要に応じて、タスク管理ツールの導入も検討すると良いでしょう。

ステップ5:定期的なフィードバックと改善

ハイブリッドワークを導入した後も、定期的にフィードバックを収集し、改善を続けることが重要です。従業員からの意見を積極的に取り入れ、問題点や改善点を共有することで、より良い働き方を築いていくことができます。柔軟な姿勢で継続的に取り組むことでハイブリッドワークを成功に導くことができるでしょう。

ハイブリッドワークを成功させるポイント


ハイブリッドワークを成功させるには、どんなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。

自律的な働き方の促進

リモートワークでは、上司が直接監視することが難しいため、従業員の自律性が求められます。適切なタスク管理や進捗報告の方法を設けることで、従業員が自分の業務をきちんと管理できる環境を整えることが大切です。

成果を可視化

ハイブリッドワークでは、成果の見えにくさが課題となることがあります。そのため、定期的なフィードバックと評価の仕組みを設け、従業員が自分の業務進捗や評価をしっかりと理解できるようにすることが必要です。オープンなコミュニケーションを心掛けることで、働く意欲や満足度を高めることができるでしょう。

コミュニケーション機会を増やす

オフィスでの対面コミュニケーションが減ることで、チームの一体感が薄れることがあります。オンラインでのチームイベントや定期的なオフラインミーティングを通じて、チームビルディングを強化し、一体感や連携を維持する工夫が必要です。

ハイブリッドワークの導入で働き方改革を実現しよう


ハイブリッドワークは、現代の新しい働き方として多くの企業で導入が進んでいます。柔軟な勤務形態による従業員の満足度向上や生産性の向上などが期待されますが、一方でコミュニケーションの課題や管理の難しさといったデメリットも存在します。きちんとメリット・デメリットについて理解し、適切な対策を講じることで、ハイブリッドワークの成功を実現することができるはずです。本記事を機に、ぜひハイブリッドワークの導入を検討してみてください。
 

【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
 

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