コラム

CFT(クロスファンクショナルチーム)とは?導入のメリットやチームのつくり方、成功のポイントを解説

近年、多くの企業がCFT(クロスファンクショナルチーム)の導入を進めています。本記事では、CFTとは何か、注目される背景や導入のメリット、チームのつくり方、成功のポイントについて紹介します。どのようにして効率的な問題解決と革新的なアイディアを生み出すのか、ヒントを得たい企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

CFT(クロスファンクショナルチーム)とは?

会社全体の課題や部門横断的な問題を解決するために、異なる部署や専門分野からさまざまな経験やスキル、ノウハウをもつメンバーが集まったチームのことです。例えば、マーケティング、開発、デザイン、営業など、各部門から選出された代表が協力してプロジェクトやタスクに取り組むことを指します。

CFT(クロスファンクショナルチーム)の歴史


1960年代から1980年代にかけて、アメリカでは複雑なプロジェクトの管理や製品開発で異なる分野の協力が欠かせないものに。そんな背景から、マネジメント理論やプロジェクトマネジメントの一環として、CFTの概念が発展しました。また、日本のトヨタ生産方式(TPS)や総合的品質管理(TQM)の実践例が、CFTの考え方に大きな影響を与えたとされています。異なる部門が協力して効率的な生産や品質改善を実現する手法が広がり、今日まで多くの企業で取り入れられるようになりました。

企業から注目されている背景


CFTが注目されている理由には、どんな理由があるのでしょうか。

人材不足への対応

現在、多くの業界で人材不足が深刻な問題となっているなか、個々のスキルと経験を最大限に活用することが極めて重要です。そのため、異なるバックグラウンドをもつ人々が集まり、それぞれの多様なスキルセットを効果的に活用できるCFTの導入が人材不足問題に対する解決策として注目されているのです。

VUCA時代に対応するため

現代は予測が難しく変化の激しい、いわゆるVUCA時代と呼ばれています。こうした状況では、従来の縦割りの組織では迅速な対応が困難です。CFTを導入し、異なる専門分野のメンバーが協力し合うことで、変動の多いビジネス環境にも柔軟に対応することが期待されています。

競争の激化

市場競争の激化に伴い、企業は生存をかけた大きなプレッシャーを常に抱えるようになっています。新興企業の参入や技術革新の急速な進展により、製品やサービスのライフサイクルが短くなり、市場への迅速な対応と継続的なイノベーションが不可欠に。このような背景から、CFTの重要性が一層増しているのです。

CFT(クロスファンクショナルチーム)導入のメリット


CFTを導入することで、企業はどんなメリットを得られるのでしょうか。

多様な視点とアイディアの創出

最大のメリットは、多様な視点とアイデアが集まることです。異なるバックグラウンドをもつメンバーが集まることで、革新的なアイディアや解決策が生まれやすくなります。多様性のあるチームを構成することで、従来の一部署だけでの取り組みでは見過ごされがちな問題点やリスクを早期に発見することもできるでしょう。

効率的な問題解決

各専門家の知識を活用することで、問題解決のスピードが飛躍的に向上します。この結果、業務の遅延や無駄を最小限に抑えることができ、迅速かつ的確な対応が可能となります。

組織内コミュニケーションの向上

さまざまな部門が協力して業務を進めることから、普段関わりの少ない部署間のコミュニケーションが活発になります。お互いの業務内容や課題を理解することで、組織全体の連携が強化され、スムーズな業務運営が可能となるでしょう。

柔軟な対応力の向上

変化の激しいビジネス環境において、柔軟な対応力は不可欠です。CFTは多様なスキルをもつ人材が集まるため、状況の変化に迅速に対応できるようになります。新たな課題が発生した場合でも、即座に対応策を検討し、実行に移すことができるため、組織の競争力を高められるでしょう。

メンバーの成長とモチベーション向上

異なる専門分野のメンバーと協働することで、メンバー同士のスキルや知識を広げることができます。また、他部門の業務に触れることで新たな視点を得ることができるため、個人のモチベーションアップにもつながるでしょう。個々のメンバーがそれぞれ成長することで、結果として組織全体の力を底上げすることが期待できます。

CFT(クロスファンクショナルチーム)のつくり方


CFTはどのようにつくれば良いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

成果の明確化

CFTをつくるには、まずチームとして求める成果を明確にすることが大切です。ゴールがはっきりしていないと、メンバーそれぞれが異なる方向に進んでしまい、チームワークを発揮することができません。具体的な目標を設定し、達成基準や期限を明示することで、メンバー全員が同じビジョンに向かって強力することができます。

チームメンバーの選定

次に、チームメンバーの選定を行いましょう。各専門分野から適切なメンバーを選出します。選出する際は、コミュニケーション能力や協調性も忘れずに考慮するようにしましょう。

役割と責任の明確化

チーム内では、各メンバーの役割と責任を明確にすることが求められます。誰がどのタスクを担当し、どのような責任を持つのかを明確にすることで、課題の漏れや重複を防ぎ、効率的な業務遂行を実現できるでしょう。また、役割と責任を明確にすることで、メンバー個々のモチベーションを高め、チーム全体のパフォーマンスを向上させることもできます。

定期ミーティングの実施

チームの運営において、定期的なミーティングは不可欠です。定期ミーティングを通じて、チームの進捗状況を共有し、問題点や改善点を迅速に検討することができます。また、定期的にメンバー間でコミュニケーションをとる場を設けることで、チーム内の信頼関係構築にもつながるでしょう。

評価・フィードバック

チームの成長と改善には評価とフィードバックが欠かせません。定期的にチームメンバーやプロジェクトの評価を行い、成果を確認するようにしましょう。その際、ポジティブなフィードバックだけでなく、改善のための建設的なフィードバックも忘れずに行うことが大切です。

うまく機能させるためのポイント


CFTを成功に導くにはどんなポイントがあるのでしょうか。

率直に意見交換できる環境を築く

チームをうまく機能させるためには、メンバーが率直に意見を交換できる環境にすることが重要です。異なる視点や専門知識をもつメンバーが集まっても、意見を出しにくい環境では、アイデアは生まれません。チーム全体でオープンなコミュニケーションを意識し、全員が安心して意見を述べられる文化を築きましょう。

協調性の高いリーダーを選ぶ

リーダーはメンバーの専門知識を尊重し、全体の調整役としての役割を果たさなくてはなりません。そのため、リーダーは協調性の高い人物であることが望まれます。メンバーの意見を上手にまとめ、方向性を示すことで、チームが一丸となって前進することができるようになるでしょう。

チームビルディング

異なるバックグラウンドをもつメンバーが信頼関係を築くには、チームビルディングが不可欠です。定期的なミーティングだけではなく、交流イベントやワークショップなどを実施して、メンバー同士が理解を深められるよう務めましょう。

メンバーのモチベーション維持

メンバーのモチベーションを維持する工夫も大切です。各メンバーがその役割において達成感を感じられるように配慮しましょう。短期的な目標を設定し、成功体験を重ねることで、メンバーのやる気を引き出すことができます。また、こまめにフィードバックを行い、その努力が認められていると実感させることも欠かせません。

多様性を活かして組織を強くしよう


CFTは、多様な専門知識と経験をもつメンバーが集まり、共通の目標に向かって協力することで、従来のチームでは生まれにくい革新的なアイデアや解決策を生み出す場として有効です。異なる視点をもつメンバーが一堂に会することで、多様性を活かした強力なチームを形成することができるでしょう。組織の問題解決力を高め、新たなアイデアを創出したい方は、ぜひ本記事を参考にCFTを導入してみてください。
 
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
 
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