コラム

モチベーションサーベイとは?従業員満足度調査との違いや質問項目、導入するメリットやステップについて解説

働き方改革やリモートワークの普及により、従来の対面でのコミュニケーションが減少する中で、従業員のモチベーション管理がますます重要とされています。従業員の意欲やエンゲージメントを把握し、効果的な対策を講じることは企業の成長に不可欠といってもいいでしょう。そんな従業員のモチベーション管理に役立つのが「モチベーションサーベイ」です。本記事では、従業員満足度調査との違いや必要な質問項目、導入するメリット、具体的な導入ステップについて紹介します。従業員のモチベーション管理に悩んでいる人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

モチベーションサーベイとは?

従業員の仕事に対する意欲や満足度を測定するための調査です。主に質問形式で実施され、職場環境やリーダーシップの評価、業務に対する満足度などを把握することで、企業は従業員のモチベーションを高める施策を講じることが可能です。定期的に実施することで、人材定着や業務効率の向上にも役立つとして期待がよせられています。

従業員満足度調査との違い


モチベーションサーベイと従業員満足度調査は似ていますが、目的と焦点が異なります。モチベーションサーベイは、従業員の仕事に対する意欲やエネルギーの源を把握し、どのように動機付けされているかを測ることが主な目的です。一方、従業員満足度調査は、職場環境や福利厚生、給与などの要素に対する従業員の満足度を評価します。

モチベーションサーベイの主な質問項目


モチベーションサーベイを実施する際に、質問として設けるべき項目には、なにがあげられるのでしょうか。

仕事に対する満足度

・自分の仕事に満足していますか?
・現在の業務内容はやりがいがありますか?

職場環境

・職場の雰囲気は働きやすいですか?
・必要なツールや設備は十分に整っていますか?

リーダーシップと上司のサポート

・上司からのサポートを得られていますか?
・上司を信頼していますか?

キャリアの成長と開発機会

・キャリアアップに向けて成長を支援する機会があると感じますか?
・スキルアップのための研修や教育プログラムに満足していますか?

チームワークと同僚との関係

・同僚とのコミュニケーションは円滑ですか?
・チーム内で意見交換が活発に行われていますか?

報酬と評価制度

・自分の業績が適切に評価されていると感じますか?
・現在の給与や報酬制度に満足していますか?

仕事とプライベートのバランス

・仕事とプライベートのバランスがとれていると感じますか?
・会社は従業員のワークライフバランスを重視していると感じますか?

会社のビジョンと目標への共感

・会社のビジョンや目標に共感していますか?
・自分の仕事が会社の目標達成に貢献していると感じますか?

ストレスと働きやすさ

・業務に対するストレスは適切に管理できていますか?
・会社は従業員のメンタルヘルスに配慮していると思いますか?

意見を表明する機会

・自分の意見やアイデアを上司や経営陣に伝える機会がありますか?
・会社は従業員の意見を尊重していると感じますか?
 
上記の質問項目を通じて、従業員のモチベーションを多角的に分析し、企業が必要とする改善点を特定することができるでしょう。

モチベーションサーベイを導入するメリット


モチベーションサーベイを実施することで、具体的にどんなメリットが得られるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

従業員の意欲向上

モチベーションサーベイを導入することで、従業員の仕事に対する意欲やモチベーションの源を把握することが可能です。従業員のニーズや不満を理解し、適切な改善策を講じることができるようになるため、業務への取り組み方や生産性を向上させることができます。

人材定着率の向上

従業員のモチベーションが高まると、自然と人材の定着率も向上します。サーベイを通じて、従業員が何を求めているのかを理解し、その要望に応えることで、離職のリスクを減少できます。特に、新人や若手社員の声を大切にすることで、彼らの会社への愛着心が深まり、長期的な定着を期待できるでしょう。

業務効率の改善

モチベーションサーベイは、従業員がどの業務にストレスを感じているのか、どの部分を改善すれば良いのかを具体的に把握することができます。そのため、業務の効率を高めるためにも有効です。無駄な作業を省き、効率的な業務運営の実現につながります。

企業文化の改善

モチベーションサーベイを活用することで、従業員が感じている企業文化の問題点を把握し、改善に向けた具体的なアクションをとることができます。企業文化が改善されると、職場の雰囲気が良くなるため、従業員の働きやすさも向上するでしょう。

効果的なコミュニケーションの促進

従業員とのコミュニケーションを促進するツールとしても利用できます。サーベイを通じて従業員が自分の意見を表明する機会が増え、フィードバックがしっかりと行われれば、互いの信頼関係を深めることが可能です。透明性のあるコミュニケーションがもたらされることで、企業内の意思疎通がスムーズになり、あらゆる業務が円滑に進められるようになります。

モチベーションサーベイを導入するステップ


モチベーションサーベイを導入する際、どのようなステップで進めたら良いのでしょうか。

ステップ1:目的の設定

はじめにモチベーションサーベイを実施する目的を明確にします。従業員の満足度向上、業務効率の改善、離職率の低減など、具体的なゴールを設定することで、サーベイの質問内容や分析の焦点を定めることが可能です。また、明確な目的があることで、サーベイで得られた結果を効果的に活用し、具体的なアクションにつなげることができます。

ステップ2:質問項目の設計

目的に応じた質問項目を設計します。職場環境、上司との関係、報酬制度など、従業員のモチベーションに関わる要素を考慮し、適切な質問を設定してください。また、質問項目はシンプルで理解しやすい内容にすることがおすすめです。従業員が答えやすくなり、より正確なデータを得られるため、分析もしやすくなります。

ステップ3:サーベイの実施

サーベイの実施方法を決定し、従業員に配布します。オンラインツールを活用することで、回答の回収を効率的に行えるでしょう。また、従業員が率直に意見を述べやすくなるため、サーベイは匿名で実施する方が良いです。

ステップ4:結果の分析とフィードバック

サーベイの結果を集計・分析し、従業員全体のモチベーションの傾向を把握します。従業員に分析結果をフィードバックすることも欠かせません。結果をきちんと共有することで、従業員は自分たちの意見が反映されていると感じ、信頼感を高めることができます。

ステップ5:アクションプランの作成

分析結果を基に、具体的な改善策やアクションプランを作成します。従業員の意見や要望を反映させた施策を打つことで、モチベーションの向上につなげることが可能です。実施したアクションプランの効果を定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行うことで、持続的な改善を図りましょう。

モチベーションサーベイ実施時の注意点


モチベーションサーベイを実施する際には、どのような点に注意すべきでしょうか。

匿名性の確保

モチベーションサーベイでは、従業員が率直に意見を述べられるように、匿名性を確保することが重要です。匿名性が守られていることで、従業員は安心して本音を共有し、信頼性の高いデータが得られます。従業員の個人情報が特定されないように、データ管理にも細心の注意を払ってください。

質問項目の適切な設計

質問項目はシンプルで明確にし、従業員が答えやすい内容にすることが重要です。複雑すぎる質問や曖昧な表現は避け、モチベーションに直結する要素に焦点を当てましょう。また、質問数が多すぎると回答者の負担になるため、必要最低限に留めることが望ましいです。

サーベイの頻度とタイミング

サーベイの頻度やタイミングには注意が必要です。過度な実施は従業員の負担となり、回答率が低下する可能性があります。年に1~2回の実施が適切であり、業務が落ち着いている時期に行うことで、正確なフィードバックを得られるでしょう。

結果のフィードバックとアクションの迅速な実施

サーベイ結果を分析した後は、従業員に対して迅速にフィードバックし、具体的な改善策を実施することが重要です。結果を放置すると、従業員の信頼を失い、モチベーションが低下するリスクがあります。迅速な対応が、サーベイの効果を最大限に引き出すポイントです。

従業員の声を活かして企業を成長させよう


モチベーションサーベイは、企業が従業員の意欲や満足度を正確に把握し、効果的な改善策を講じるための重要なツールです。サーベイを適切に活用することで、従業員のモチベーションが向上し、結果として企業全体の成長や業績の向上を実現することができます。従業員の声を反映させることで、働きやすい環境を整え、長期的な企業の発展を支える基盤を築きましょう。まだ導入していない企業の人事担当者は、本記事を機にモチベーションサーベイの活用を検討してみてください。
 
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
 
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