テレワークの課題解決に向けて。在宅勤務中の筆者がメリット・デメリットを解説
テレワークのメリット
移動時間を削減し、時間を有効に活用できる
通勤時間をなくすことができるということが、一番のメリットとして挙げられる。満員電車によるストレスから解放されることも大きいが、通勤に一時間かけていたと仮定すると、一日二時間もの時間を有効活用することができる。
それを自己投資に使うもよし、仕事に使うもよし、大切な人との時間に使ってもいい。とにかく『時間』というお金で買うことができないものを得られることのメリットはとても大きい。
感染症対策
これは今の時代特に重要視される。正直、周りを見渡していても働く世代の人間にとっては、さほど脅威に感じていない人が多いように感じる。
しかし、年配の親族と同居している人や、小さな子どもがいる家庭にとっては大きな問題だ。自分がウイルスの運び屋になるリスクをなくせることは、大きなメリットと言えるだろう。
業務効率化
テレワーク導入によって必然的にツールを揃える必要が出てくる。これにより、半ば強制的に業務の効率化も進んでいく。
電子社判を取り入れたことにより、社内の判子リレーがなくなったり、そもそもペーパーレス化に移行できたりする。無駄な会議や紙の資料が不要になり、情報共有は全てオンラインでの共有となる。不必要だったものが次々とあぶり出されていくだろう。
コスト削減
テレワーク導入により、社用PCやタブレットを貸与する企業がほとんどだ。一見コストがかかりそうだが、例えば100%テレワークの導入ができれば、そもそもオフィスを借りる必要もないし、100%とまではいかなくとも、今までの大きさのオフィスが必要なくなる。
オフィス賃料や従業員の交通費、ペーパーレス化による紙などのコストカットにも繋がる。これに比べるとテレワークの導入コストは大したことではない。
優秀な人材を集めやすくなる
未だにテレワークを一切認めない古いタイプの企業も多い(業種職種による導入できない場合は除く)。こういった企業と比べ、テレワークを推進している企業は、きちんと時代に合った企業であるとのイメージに繋がる。転職者から見てもこの違いは大きいだろう。
また、100%テレワークで出社の必要がない場合であれば、勤務地が全国どこでも可能なため、より優秀な人材の確保が可能となる。特に地方と言われる、人が多いとは言えない地域にオフィスを構える企業にとっては、全国から求人を募ることができるのは大きな優位性となる。
テレワークのデメリット
仕事の切り替えが難しい
電車に乗って会社に行き、仕事仲間のいるオフィスで仕事をしていた頃とは異なり、いつも生活している家での仕事となる。
いつもいる家族と同じ空間、あるいは一人での仕事場。オンとオフの切り替えが非常に難しい。勤務時間になっても頭が切り替わってないパターンもあれば、夜遅くになってもPCと向かい合ってしまうパターンもある。
コミュニケーション不足
テレワークに移行して改めて感じさせられたことは、圧倒的にコミュニケーション不足となることだ。今まで横や向かいのデスクの同僚としていた会話が全くなくなるのだ。Web会議や社内チャットツールなどもあるだろうが、雑談の数が極端に減る。
改めて感じるのは、この雑談から得ていた仕事以外の情報量の多さだ。自分で情報を集めないと流行りのものなどに疎くなってしまう。筆者は家族がいるので少しはマシだが、一人暮らしでのテレワークとなると、言葉を発することなく一日が終える可能性もある。コミュニケーション力が大事だと言われることが多い現在、この環境は少し矛盾しているかもしれない。
環境を整える必要がある
前述の通りPCなどについては、会社で揃えてもらえることも珍しくない。しかしネット環境などは完全に個人に依存する。仕事内容にもよるが、場合によっては新しいものに替える必要があるかもしれない。
また、場所の確保も必要となる。在宅で行う場合は家に新たなスペースが必要だし、外で仕事をする場合にも場所の確保が必要となる。
従業員の管理や評価が難しい
会社として従業員をみる際に、テレワークだと結果しか見えないことも多い。仕事に取り組む姿勢や勤務態度、過程などが見えないことによって部下の評価が難しくなる。
他にも情報伝達において、ズレや漏れが生じる可能性も出てくる。会って言葉を交わすことで初めて伝わることも少なくない。
帰属意識が低下する可能性がある
オフィスに出社していない。仕事仲間と毎日顔を合わせることがない。これらのことが『この会社の一員として貢献したい』という帰属意識を薄くさせてしまう可能性がある。
また、昨今テレワーク導入企業が増えてきたことにより、労働環境を変えることなく他の会社で働くこともでき、給与や他の条件により転職をすることが以前に比べ容易になる原因にもなり得る。
テレワーク導入課題の対処法
場所の確保と服装
仕事の切り替えが難しいというデメリットに対しては、例えば在宅の場合、ひと部屋まるまる仕事用の部屋にしてしまうのが手っ取り早い。部屋数に余裕がない場合は仕事用のスペースだけでも確保して、そこを固定してしまうのがいいだろう。ここでは仕事しかしないというスペースを作ることで気持ちを切り替えていける。
さらに筆者の場合は、誰とも顔を合わせない日でも服装は仕事用に着替えるようにしている。これは服装でも何でもいいが、とにかく気持ちを切り替えることができる何かを決めて取り組んだ方がよい。間違えても、テレビのついたリビングでパジャマのままPCを開き仕事をしようとするのは止めた方がいい。
ルールをしっかり作る
従業員の評価・管理にも繋がるが、社内の細かいルールについて、テレワークに適したルール設計が必要となる。とくに報・連・相に関しては対面で話していた時以上に細かい伝達が必要になってくる。
また、個人としても同様だ。前述の場所や服装以外にも、私用の携帯を触らないことや、喫煙者はタバコを吸いに行く時間など、誰にも見られていないからこそ自分でルールを作り、守ることが重要になる。
チャットツールを活用する
これはチャットツールに限らず、メールなどでもいいが、レスポンスのしやすさなどを考えるとSlackやChatworkなどのチャットツールが最適だと考える。とにかく何でもいい、こまめに連絡を取り合うことをお勧めする。
今までオフィスで仕事をしていた時は、少しでもわからないことがあった時は近くの先輩に聞いていたり、他愛もないことでも横の同僚に話したりしていたと思う。その感覚がテレワークになると一気になくなってしまうので、積極的に活用していった方がいい。
今後のテレワークへの向き合い方
冒頭に述べたように、新型コロナウイルスの影響によってテレワークの浸透が一気に加速したが、まだまだ実施していない企業も多い。国土交通省が2021年3月に発表した調査データ(※)によると「約 64%の人がテレワークに総合的に満足しており、今後も実施したい人は約82%であった」との記載がある。感染症対策以外にも、従業員満足度や技術の進化に伴い、今後さらにテレワークが浸透していくことが予測される。導入を検討しているのであれば、ぜひ本記事の内容を参考にしてほしい。
<筆者プロフィール>
寺島弘光(てらしま ひろみつ)
商品先物取引のトップセールスとして3年間勤務後、通信業界や求人業界の営業を経て、30歳を超えて大きな挫折を経験。現在求人広告をはじめとしたライターとして、新たな道を歩み始める。大阪人ながらに年間パスポートを保有していたほどのディズニー好き。趣味はバスケットボールで、自分でクラブチームを作るほど。推しは大阪エヴェッサ。千葉への移住計画を胸に、一児の父親として育児・ライティングともに一から勉強中。
<参照>
国土交通省報道発表資料「テレワーク人口実態調査」
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