メタ思考とは?トレーニング方法や特徴、身につけるメリットについて解説
メタ思考とは?
自分自身の思考や行動を客観的に分析し、分析結果に基づいて改善を図る思考法です。メタ思考を取り入れることで、自分が現在どのように考え、どのように行動しているかを把握し、より良い結果を生み出すための方法を見つけることが可能になります。
メタ思考をもつ人の特徴
メタ思考をもつ人には共通の特徴があります。具体的にどんな特徴があるのか、見ていきましょう。
落ち着いた状況判断ができる
メタ思考をもつ人の特徴として、冷静な判断や行動ができることがあげられます。感情に左右されることが少ないため、物事を俯瞰的かつ客観的に捉えることが可能です。また、多様な視点を考慮しながら冷静に対応する能力に長けているため、予期せぬ緊急事態が発生した際にも、落ち着いて対処することが多いです。
問題や要点を見抜く力がある
物事の本質を見抜く能力ももっています。メタ思考は全体を俯瞰して物事を精査するスキルであるため、根本的な課題を明らかにし、効果的な対応策を考えるのが得意です。
自分の状況や行動を客観視できる
自分自身を客観視できるという特徴もあげられます。自分の思考パターンや得意・不得意を正確に認識しているため、自分に必要な成長アクションを自ら考え、実行することが得意です。結果として、自ら成長することができるので、周囲からは「成長スピードが速い」と評価されることが多いでしょう。
明確な目標を設定している
常に明確な目標を設定している人もメタ思考をもつ人の特徴です。明確な目標をもつことで、日々の行動に一貫性が生まれるため、周囲からの信頼も厚いでしょう。長期的に成果を達成することも実現できる人です。
言語化能力が高い
メタ思考をもつ人は言語化能力も優れています。自分の考えや感じたことを具体的な言葉にすることで、他者にもわかりやすく伝えられるのも大きな特徴です。周囲のコミュニケーションの質を高めることはもちろん、自分自身の考えを整理するのが上手な人だといえるでしょう。
メタ思考を身につけるメリット
続いて、メタ思考を身につけるメリットについて解説します。
問題解決能力の向上
メタ思考を身につけることで、問題解決のプロセスで自分がどこでつまずいているのか、どのようなアプローチが有効かを冷静に分析できます。例えば、プロジェクトが遅れる原因を探る際にも、単なる表面的な要因ではなく、根本的な原因に目を向けられるようになるでしょう。
意思決定の質の向上
メタ思考が身につくと、意思決定の質も向上します。自分の決定がどのような影響を及ぼすのか、どのようなリスクが潜んでいるのかを多角的に検討できるようになるため、より慎重かつ的確な判断が可能になるでしょう。特に重要なプロジェクトや戦略的な決定を行う際には、大いに役立てるはずです。
創造性の向上
メタ思考により、創造力も向上します。新しい視点から物事を捉えることができるようになるため、独創的なアイデアや革新的なソリューションを生み出せる可能性が高められるでしょう。
効果的なコミュニケーション
自己分析を通じて、自分のコミュニケーションスタイルを理解し、改善点を見つけることが可能です。また、相手の立場や感情をより深く理解しようとする姿勢も養われるため、共感を引き出しやすくなり、効果的なコミュニケーションを促進します。
リーダーシップの向上
リーダーシップの向上ができるというメリットもあります。リーダーとして客観的に自分を見つめ直し、メンバーに対するアプローチの方法を検証することで、より効果的なリーダーシップを発揮できるようになるでしょう。
メタ思考がない場合に生じやすい問題
メタ思考をもたない場合、以下のような問題が生じる可能性があります。
自己成長の停滞
メタ思考ができないと、自分の成長や学びの機会を見逃しやすくなります。日常生活や仕事での経験を振り返ることができないと、失敗を繰り返すことになり、成長するチャンスを逃してしまうでしょう。
問題解決力の低下
メタ思考が欠如していると、自分の思考パターンや行動を客観視できないため、問題の根本原因を見抜くことが難しくなります。結果として、解決策も見つけにくくなってしまうため、問題が積み重なる一方です。
人間関係の悪化
自己の言動を客観的に見ることもできないため、他者とのやりとりで無意識に誤解や摩擦を生じやすくなります。コミュニケーションがうまくいかないことで、人間関係が悪化することもあるでしょう。
ストレスの増加
メタ思考がないと、ストレスを感じたときにその原因を冷静に分析することができません。ストレスの要因や解消方法が分からないため、無駄に悩みが増え、精神的な負担も大きくなります。ストレス状態が長引くと、メンタルヘルスにも影響を及ぼすことになるでしょう。
メタ思考を身につけるトレーニング方法
メタ思考はどのように身につけたら良いのでしょうか。具体的なトレーニング方法について、見ていきましょう。
自分の思考パターンを観察する
まず、自分の思考パターンを観察することが大切です。日常の出来事や問題に対して、どのように考え、どのように結論に至るのかを冷静に分析してみましょう。何か困難な状況に直面したとき、自分がどのような反応を示すかを書き留めることで、傾向や癖が見えてくるかもしれません。
他者の視点を取り入れる
他者の視点を取り入れることも重要です。他の人がどのように考えるか、どのように反応するかを観察し、自分との違いを比較してみましょう。比較することで、より幅広い視野で物事を捉えることができ、自分の思考パターンに気づくことができるはずです。
批判的思考を養う
批判的思考はメタ思考を深めるうえで欠かせません。情報を鵜呑みにせず、根拠を探し、対立する意見を聞き入れる姿勢をもちましょう。ニュースや記事を読む際、誰が何を目的に書いたのかを考えたり、異なる見解の情報源を比較したりすることで、批判的思考力を高めることができます。
反省の時間をつくる
定期的に自己反省の時間を設けることも大切です。一日の終わりに、自分の行動や決断がどうだったかを振り返り、どんな思考だったかを分析します。反省することを習慣化することで、次回同じような状況に直面した時により賢明な判断を下せるようになるでしょう。
メタ認知をトレーニングする
自分の思考や知識の状態を把握する「メタ認知」のトレーニングも有効です。メタ認知を鍛えるためには、学習した内容を自分の言葉で説明したり、問題解決のプロセスを第三者に話してみたりするのがおすすめです。
メタ思考で変化に強い組織をつくろう
メタ思考は、物事を深く理解し、より良い解決策やアイデアを創出するために効果的な手段です。「なぜ」「どうして」を繰り返し自分に問いかけることで、視野を広げ、表面的な情報だけではなく、背後にある構造や関係性を見つけ出すことができるようになるでしょう。メタ思考を持つ人材を育成することで、変化するビジネス環境に柔軟に対応できる組織を構築することもできるはずです。メタ思考をもたない経営者や、これから自社の従業員をトレーニングさせたいと考える経営者は、本記事を機にぜひメタ思考の習得に向けて、取り組んでみてください。
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。X(Twitter)
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