コラム

カスケードダウンとは?経営目標を社員一人ひとりの行動に落とし込む5つのステップ

企業が目標を達成し、持続的に成長するためには、経営層が設定した戦略や目標を組織全体で共有し、実行に移すことが不可欠です。この際に重要となるのが、上位レベルの目標を下位レベルの部門や個人の目標に細分化していく「カスケードダウン」のプロセスです。本記事では、カスケードダウンの重要性を再確認しつつ、その実践のコツについて解説します。

カスケードダウンとは?

カスケードダウンとは企業の経営目標を組織の隅々まで浸透させ、社員一人ひとりの行動に落とし込むプロセスを指します。具体的には、経営層が設定した戦略や目標を、部門、チーム、個人レベルの目標に細分化し、連鎖的に展開していきます。これにより全社的な目標達成に向けて、社員全員が一丸となって取り組むことができるようになります。
 
カスケードダウンを効果的に実践するには、経営目標を明確に設定し、部門間の連携を強化し、個人の目標と評価制度を連動させることが重要です。また、定期的なフィードバックや進捗管理を行い、目標達成を支援する組織風土を醸成することが求められます。

カスケードダウンが注目される背景


グローバル化や技術革新が進む中、企業には迅速な意思決定と柔軟な対応力が求められています。このような状況下で組織の一体感を高め、全社一丸となって目標達成に取り組むことが重要になっています。
 
しかし、多くの企業では、経営目標と現場の活動にズレが生じていて、社員のモチベーション低下や目標達成率の低迷といった問題を抱えています。カスケードダウンは、こうした課題を解決するための有効なアプローチとして注目を集めているのです。
 
また、働き方改革やミレニアル世代の台頭など社会の変化に伴い、社員の価値観やエンゲージメントに対する関心が高まっていることも、カスケードダウンへの注目度を高める要因となっています。

カスケードダウンがうまくいかない企業の特徴


カスケードダウンがうまく機能していない企業では、経営目標と現場の活動にズレが生じがちです。例えば、経営層が掲げる抽象的なビジョンが、具体的な行動レベルまで落とし込まれていない状況などが該当します。また、部門ごとの目標が全社的な方針と整合していなかったり、個人の目標が明確でなかったりすると、社員のモチベーション低下や目標達成率の低迷につながります。実際、多くの日本企業が「経営戦略と個人の目標がリンクしていない」と感じているようで、カスケードダウンの重要性を認識しながらも、実践には課題を抱えている企業は多いようです。

カスケードダウンを成功させるためのステップ


それでは、カスケードダウンを成功させるためには何が必要でしょうか。以下に、重要なステップを5つ挙げます。

ステップ1:経営目標を明確かつシンプルに設定する

まず、経営層は自社の目指す方向性を明確に定め、それを簡潔なメッセージとして発信する必要があります。目標はシンプルで、かつ測定可能なものであることが望ましいでしょう。また、目標設定の際は、市場環境や自社の強み・弱みを踏まえ、達成可能な水準を見極めることが肝要です。

ステップ2:部門ごとの目標を具体的に落とし込む

次に、経営目標を受けて、各部門はそれを具体的な行動レベルで落とし込んでいきます。ここでのポイントは部門目標が経営目標と整合しているか、他部門との連携を考慮しているかを確認することです。目標設定のフレームワークとしては、OKR(Objectives and Key Results)などが広く活用されています。

ステップ3:個人の目標設定と評価制度を連動させる

部門目標を受けて、個人の目標設定を行います。個人目標は自身の強みを活かしつつ、部門目標の達成に寄与するものであることが求められます。また、目標達成度を測る指標(KPI)を設定し、定期的に進捗を確認する仕組みを作ることが大切です。さらに、目標管理と人事評価を連動させ、適切な評価・フィードバックを行うことで、社員のモチベーション向上につなげましょう。

ステップ4:定期的なフィードバックと進捗管理を行う

カスケードダウンした目標を着実に遂行するには、定期的なフィードバックと進捗管理が欠かせません。管理職は部下との1on1ミーティングなどを通じて、目標達成に向けた課題や支援策を話し合う機会を設けましょう。また、目標の進捗状況を可視化し、PDCAサイクルを回すことで、軌道修正や改善につなげることが可能です。

ステップ5:目標達成を支援する風土を醸成する

最後に、目標達成を支援する組織風土を醸成することが重要です。経営層と現場との双方向のコミュニケーションを促し、社員一人ひとりが経営目標と自身の役割を結び付けられるよう、丁寧な説明を心がけましょう。加えて、チャレンジを奨励し、失敗を許容する文化を育むことも、社員の主体的な行動を引き出すうえで有効です。

カスケードダウンの成功事例


カスケードダウンを効果的に実践している企業の事例を見てみましょう。

大手製造業の事例

経営ビジョンを「全社共通の言語」として浸透させるため、役員から全社員への階層別の説明会を実施しています。また、部門ごとに経営目標を落とし込んだ「部門方針書」を作成し、個人の目標設定や評価に活用しています。その結果、全社的な目標達成率が向上しただけでなく、社員エンゲージメント調査でも高いスコアを維持しているそうです。

IT企業の事例

OKRを全社で導入し、透明性の高い目標管理を実現しています。個人のOKRは上司との対話を通じて設定され、定期的に進捗確認とフィードバックが行われます。CEO自身も自身のOKRを社内で公開し、率先垂範しているのが特徴的です。この取り組みにより、社員の当事者意識が高まり、自発的な行動が促進されたと言います。

カスケードダウンで、一体感のある組織をつくろう


本記事では、カスケードダウンの重要性とそのコツについて解説してきました。カスケードダウンの本質は、組織の一体感を高め、社員一人ひとりが会社の目標達成に向けて能動的に行動できる環境を作ることにあります。
 
そのためには、経営目標と現場の活動をつなぐ、双方向のコミュニケーションが鍵を握ります。経営層は明確なビジョンを示し、現場の声に耳を傾ける必要がある一方で、社員は経営目標を自分事化し、主体的に目標達成に取り組む姿勢が求められるでしょう。
 
カスケードダウンは簡単に実現できるものではありませんが、地道な取り組みを積み重ねることで、強い組織を作り上げることができます。本記事がカスケードダウンを実践するうえでのヒントとなれば幸いです。
 
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