【転職時の面接対策】逆質問は会話から自然に生まれる〜30代!資格なし!はじめての転職体験記③〜
転職活動において、最重要ポイントとも言える「面接」。これまで筆者の経験をもとに、①転職の「軸」を作る、②自ら求人を積極的に探す、といったステップを解説をしてきました。それらのステップを踏んで転職活動をしていれば、ある程度の数の企業の面接まではたどり着けるのではと思います。
ここでポイントなのは「紋切り型の採用面接」で終わらせないこと。やっと掴んだ面接の機会は自分が試される機会であると同時に、企業の人との会話の中で理解を深められる機会でもあります。つまり逆質問はして当然、というよりも会話の中で自然に問いかけるくらいのイメージで臨みましょう。
今回は筆者の経験を元に、手応えのある面接のためのポイントを解説します。これから面接を控えている人や、面接のイメージが湧かず困っている人の参考になればと思います!
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面接の基本やよくある質問を押さえよう
まずは転職活動の一般的な面接について知っておきましょう。企業規模にもよりますが、面接回数は2〜4回程度、選考過程でスキル測定などの試験を受験する場合もあります。
面接の形式は業種や働き方によって、Web面接・直接面接の割合は異なるでしょう。筆者はリモートワークを推進している企業に多く応募していたこともあり、最初の1〜2回はほぼWeb面接でした。ただしどの企業も最終面接は直接顔を合わせての面接でした。
服装については、Web面接・直接面接に関わらず、応募先の企業のカルチャーに合った清潔な恰好であれば問題ないかと思います。むしろ服装よりも重要だと筆者が感じるのは、「声」です。なにもよい声でスラスラと話す必要はありません。そうではなく、自分が思うよりも少しだけ大きな声で、心持ちゆっくりめに話しましょう。
はっきりと通る声はそれだけで印象がよいです。また、緊張すると早口になりがちですが、丁寧なペースで話すことで会話が成り立ちやすくなります。無理に満面の笑みを浮かべる必要もありません。あくまで穏やかな態度で「今日面接の機会をいただけてうれしいです」と感謝の気持ちを伝えましょう。
転職活動でよくある質問といえば、
- ・前職(現職)での具体的な仕事内容
- ・仕事内容から得られた具体的な経験やスキル
- ・自分の長所と短所
- ・転職を決めた理由とその企業を志望する理由
- ・入社した場合、どのような活躍をしたい/できると思っているか
- ・希望する年収やキャリアパス
- ・働く中で中長期的に達成したい目標
- ・どのような雰囲気の職場を働きやすいと感じるか
- ・仕事だけに関わらず、一番大切にしている価値観
といったところでしょうか。実際に上記の質問は、筆者もほぼすべての企業で聞かれました。これらの質問には事前に回答を考えておくことをおすすめします。なお、転職活動の「軸」やそれに沿って入力したキャリアシートなどの内容を思い出し、それらと齟齬のない回答を考えておきましょう。
そして、これらの回答を考えていると、企業に聞いてみたいことが浮かんでくることもあります。とても役立つトピックスなので忘れずメモしておきましょう。(ただし、Web面接であっても手元のメモばかりに視線を向けているのはNGですよ!)
ところで、質問の回答を考えるうえでどうしてもネガティブな要因が思い浮かぶこともあると思います。よく「転職活動の面接でネガティブなことを言うのはタブー」と言われますが、果たしてそれは本当でしょうか?その点については、後述したいと思います。
逆質問は自然な会話の中から生まれる
さて、転職活動の面接の基本パターンを理解し、回答を準備したところでいよいよ面接当日。重要なのは、用意した回答はいったん頭の隅っこに追いやること。「これだけ色々考えたのに!?」と思うかもしれませんが、面接はあくまで他者とのコミュニケーションです。他人との会話に台本などありませんよね?それと一緒で、準備した回答はあくまで会話の材料です。
企業によっては、面接用の台本(想定質問)を用意している場合もあると思います。それでも問いかけをするのは面接官という人間です。そうであれば会話をしながら「この人にはどんな切り口や表現で伝えるとリアクションがよいか」という点を探り、その人に向けて最適化された表現を模索しましょう。わかりやすい筆者の一例では、「この人はこの用語を多用するな」と感じた場合は自分の回答にもその用語を盛り込んで、「同じ価値観で話をしています」ということをアピールしました。共通言語を使うことで単調な一問一答から、意思疎通が生まれ話題の幅が拡がる会話となります。
この話題の幅こそが、逆質問の生まれる場でもあります。逆質問の内容は、選考がどこまで進んでいるかによっても変わりますが、基本的には会話の中でもっとも深堀りできそうだと思ったポイントを中心にしていくとよいでしょう。
たとえば仕事内容の話は深掘りしやすいトピックのひとつです。募集要項や面接ではわからなかった部分について、「◯◯事業部の業務内容は◯◯と伺いましたが、具体的などのような工程で業務が行われているのですか?」や、「募集要項で挙げられていた資格以外にも、御社の業務に役立つスキルや、読んでおくとよい書籍などはありますか?」「部署ではどのようなコミュニケーションの取り方に重きをおいていますか?」といったことを聞くことができるでしょう。
また、個人の目標や行動などの話になったときには「◯◯さまは日々どういったことを指針にお仕事をされていますか?」などと聞いてみるのもよいかと思います。「逆質問」というと大仰な行為に聞こえますが、要は会話の一環でしかないのです。
こちらが具体的に話せば、相手も具体的に答えてくれて、会話は広がっていきます。ただし、募集要項や企業のWebサイト・代表のメッセージなどから知ることができる情報について質問するのはNGです。それは単なる準備不足と捉えられ、相手にとって失礼な行為にもなります。
面接でネガティブなことを言うのはNG?
転職活動における面接では「ネガティブなことは言ってはいけない!」とよく言われます。筆者はこの意見ばかりが先行して、面接で浅い話しかできなくなってしまう場合もあると感じています。「スキルアップのため」「御社の業務に興味があるため」など無理してポジティブな言葉ばかりで塗り固めても、具体的に突っ込まれたときに回答できなくなってしまいます。
それならば、「◯◯というネガティブな状況があったが、それを変えるためにこのような対策をした」「その対策の過程で、より◯◯な環境で働きたいと感じ、転職を検討した」などと、ネガティブな要素・その要素に対して起こした行動や対策・行動や対策を通して転職がベストと考えた理由、などとセットにして伝えたほうがよいと思います。
もちろん、後ろ向きなエピソードや愚痴、不満ばかりをただ伝えるのでは印象は最悪でしょう。ただ、ネガティブな要素とは言い換えればのびしろです。その部分に対して起こした行動や改善の経験は、業務に対して積極的な態度として前向きに受け止めてもらえるでしょう。
面接は企業と自分が理解を深める貴重な機会
面接をうまく進められると、自分も企業との相性がわかるようになります。やはり会話をしてこそ、現場の温度感や雰囲気などがわかるものです。たとえ面接に通らなくてもその反省を活かしてまた別の面接に臨むことができます。
またある程度の数の面接を受けることで、さまざまなタイプの企業との接点が持て、転職活動の参考や指針をより具体的に固めることができるでしょう。大切なのは、面接は選考の場であると同時に、相互理解を深める場でもあると考えて臨むことです。皆さまの転職活動の参考に少しでもなれば幸いです!
【筆者プロフィール】
伊藤鮎
2023年VALUE WORKS入社の編集・ライター。前職は約10年間書籍編集者として勤務。趣味はHIPHOPとメタルコアとKPOPと料理とお酒。2024年の目標は海釣りに挑戦することです。
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