コラム

Z世代の採用戦略を解説!若手からの応募を増やすポイントについて

多くの企業の採用支援を手がけてきた中で、「若手からの応募が集まらない」「どうすれば20代からの応募が集まりますか」という声を多く耳にしてきた。少子高齢化や求職者のリテラシー向上、若手の価値観の多様化など、さまざまな背景から特にZ世代を中心とする若手の採用は年々難しくなっている。とはいえ、将来を担う人材の採用・育成は経営者や人事にとって避けては通れない。そこで今回、Z世代からの応募を増やすための方法について解説したいと思う。

そもそもZ世代とは?

Z世代とは1997年~2012年に生まれた世代で、2023年時点で26歳から11歳となる世代のことを指す。彼ら彼女らは生まれたときからインターネットが身近にある「デジタル・ネイティブ」であり、世界中でインターネット、スマートフォン、ソーシャルメディア、ストリーミングサービスなどのテクノロジーを広く利用している世代である。
 
テクノロジーの急速な発展とともに成長し、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを使用することが当たり前なZ世代にとって、オンライン上で情報検索することはもちろん、互いのコミュニケーションもオンラインで取るのが通常となっている。
 
また、Z世代は社会的にも多様性を尊重する世代でもある。幼少期からインターネットを通じて異文化に触れる機会が多いため、人種、性別、性的指向、文化的背景などの違いを認める傾向が強く、さまざまな価値観を受け入れられる土台ができている。社会的責任を果たすことにも熱心で、環境問題や人権問題などに積極的に関心を持っているのも特徴のひとつだ。

Z世代が企業に求める価値観の特徴


そんなZ世代が就職するにあたり、企業に求める価値観として大きく5つの要素がある。
 

1.社会的貢献を果たしているか

環境問題や人権問題など、社会問題に積極的に取り組み、社会的責任を果たしていること。
 

2.多様性を尊重しているか

人種、性別、性的指向、文化的背景など、多様な背景を持つ人々が働きやすい環境を提供し、多様性を尊重していること。
 

3.イノベーションに取り組んでいるか

テクノロジーに精通しており、イノベーションに興味を持つ世代のため、最新の技術を取り入れ、新しい価値を生み出すことに取り組んでいること。
 

4.透明性と誠実さがあるか

偽りや隠蔽を行わず、誠実な姿勢で事業を展開していること。そして誠実かつ透明性を持って事業を運営していること。
 

5.柔軟な働き方ができるか

フレキシブルな勤務時間やテレワークなど、働きやすい環境を提供。ワークライフバランスを重視し、社員の柔軟な働き方を実現していること。

Z世代の採用に向けて取り組むべきこと


Z世代は少子高齢化社会が進む日本において、企業の未来を担う貴重な若手。企業の存続にあたりZ世代の確保・育成は必要不可欠となるなか、競合他社も同じようにZ世代を求め、採用競争は激化の一途を辿っている。そこで、どうしたら競合との差別化を図り、より多くのZ世代の採用を実現できるか考えてみよう。
 

1.企業ブランディングを行う

Z世代は情報にアクセスする手段が豊富で、多様な情報を得ることができるため、単に求人票を公開するだけでは、興味を引くことが難しくなっている。また、理念や価値観に合致する企業を探す傾向があるため、自社の理念や価値観をアピールすることで、他社との差別化やZ世代からの支持を集める。
 

2.ワークライフバランス重視の働き方を提供する

例えば、テレワークやフレックスタイム制度、プロジェクト制など、働く時間や場所を柔軟に選択できる制度を設けることで、Z世代が求めるフレキシブルな働き方を実現する。また、有給休暇や育児休業など、働く社員が仕事だけでなく、プライベートの時間も大切にできる制度を設けることで、長期的に活躍できる職場であることをアピールする。
 

3.成長やスキルアップの機会を段階的に設定する

Z世代は自己成長やスキルアップができる環境も求めているため、社内研修や外部セミナー、社内でのジョブチェンジ制度、プロジェクトへの参加など、自分自身が成し遂げたいことに挑戦できる機会、自分自身を成長させることができる機会があることをアピールする。
 

4.効果的なアプローチを実践する

テクノロジーの発展と共に成長してきたZ世代においては、
先行世代で行ってきた採用手法とは大きく異なってくる。例えば、企業まで足を運ぶ対面面接などは煙たがられ、全てオンラインでの対応が好まれるなど、柔軟な採用手法が求められている。
 

5.SNSを活用する

Z世代はSNSを積極的に利用しており、Instagram、TikTok、Twitter、YouTubeなどを中心に情報収集を行っている。企業もこれらのSNSを活用し、フォロワーを増やすためのコンテンツを発信することで、Z世代とのコミュニケーションを図ることができる。
 

6.ビデオマーケティングを導入する

Z世代は特に映像にも敏感で、動画コンテンツをよく視聴している。そのため企業もビデオマーケティングを導入し、ビジュアル要素が強いプラットフォームにて、短い動画やストーリー仕立ての動画を作成することで、Z世代との親和性を高めることができる。
 

7.オンラインイベントを開催する

Z世代はオンラインでの情報収集やコミュニケーションに慣れているため、オンラインでのイベントを開催することで、Z世代との交流を深めることができる。例えば、オンラインセミナーやバーチャルツアー、先輩社員や人事とのオンラインゲームなども効果的である。
 

8.クリエイティブなコンテンツを提供する

Z世代は新しいものやクリエイティブなものへの関心が高い。そのため、企業ならではのオリジナルのコンテンツを提供することで、Z世代の注目を集めることができる。例えば、自社製品を使ったクリエイティブなチャレンジや、独自のストーリーを盛り込んだ動画などが効果的である。
 

9.価値観や社会貢献活動を伝える

Z世代は社会や環境に対する関心も高く、企業の社会的責任についても注目している。そのため、自社の価値観や社会貢献活動について積極的に伝えることで、Z世代との共感を深めることができる。

Z世代に寄り添った発信と環境づくりを


情報化社会で育ちテクノロジーに対して親和性が高く、働くことに対し独自の価値観や使命感に重きを置くZ世代。誰もが平等な機会を得られる多様性やグローバルな視野を持ち、仕事とプライベートの両立を求める傾向にある。
 
だからこそ企業側の想いや価値観を一方的に発信するのではなく、Z世代に寄り添った内容・方法で企業の魅力を広く発信していくことが重要になる。
 
Z世代の採用を加速することで若手ならではの新しいアイデアや創造性を活かした、新たなイノベーションの創出にもつながることだろう。時代の波やテクノロジーの変化に柔軟に対応しながら、より良い人材の採用を実現していってほしい。
 
【筆者プロフィール】
西山 侑里
1993年群馬県高崎市生まれ。空っ風に鍛えられながら、小中高とバスケットボールを追い続ける部活生活を経て、2012年の大学入学を機に上京。大学卒業後、2016年にリクルートの求人広告代理店に新卒入社。売れない営業時代を乗り越え、営業リーダーを任せられるまでに成長。新規部署の立ち上げメンバーとしてIndeedの運用にも携わる。2022年に夢だったライター職に転職。人材業界での経験を活かして求人原稿の制作から、最近ではコラム記事の制作に挑戦中。
 
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